表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
想造世界  作者: 玲音
第四章 種族争い
145/591

やっと出会えました

しかし、よく考えてみると、ここの通路は一本道で、とても裏道があるとは思えない。しかし、とりあえず、地図を持っているのは優羅なので、言う通りに動くしかないなと思っていた。


しばらく歩くと、神羅と思わしき人物が見えて来た。その時、突然優羅から通信が入った。


「大分護衛の方に近付きましたね。そろそろ、裏道から先回りをした方がよさそうですね」


「そうは言っても、裏道なんてどこにあるんだよ?ここの道は一本道じゃないか?」

「普通には見えないから裏道なんじゃないですか。そこを右に曲がって下さい」

「そうは言っても、正面には壁しかないし、その奥はマグマだぞ」


「あっ、そうでしたね。じゃあ・・・・彼を追い越して下さい」


「・・・・は?」

「彼にバレないように前に回って下さいね。それじゃあ」

「あっ、おいっ!」


勝手に優羅が通信を切る為、俺はしばらくの間呼びかけ続けていたが、手段はそれしかないと思い、俺は、神羅を追い抜くことを考える。


しかし、どうやって前を通っていけばいいのか。あいつは結構敏感だから、気配を殺して横を通ろうとしても、絶対無理だろうと思っていた。


しかし、よく考えてみれば、前に一々回り込むことはないのだ。後ろから話しかけたっていい。そう思うと大分気が楽になって、普通に横を通って行くことにした。


「うるせぇよっ!もっと声潜めろ!」

【なんでそんなことをしなくちゃいけないの?私、うるさい?】

「そこだけ無邪気に言うな!」


俺は、出来るだけ気配を殺して目の前に回り込んだが、そんなことをしなくても、今の神羅は地図に気をとられていて、俺が目の前に立ちふさがっても数秒は気づかなかった。


しかし、直ぐに気が付き、姿勢を低くして身構え、今にも襲い掛かって来そうな感じ立った為、俺は急いでフードを取った。


「武器を向けないで下さいよ。俺は、貴方の味方です」


いつもは笑みを浮かべることはないのだが、優羅に演技をしろと言われている為、止むを得なく微笑みを浮かべた。


「なら、なんの用だ?」


用心深く問われ、俺はどうしようかと迷ったが、あまりにも考え込むと、より疑われそうな為、適当なことを言った。


「いや・・・・どうも、苦戦しているようなので、部下である俺に連れて来いと頼まれたんです」


「そうなのか・・・・。お前は修羅の部下なのか。それなら、修羅のことを知ってるのか?」


かなり口からでまかせを言ったのだが、神羅が素直に受け取ってくれた為、助かったと思いながら、神羅からの問いに答える。


「うーん、修羅様のことは、俺もよく知らないんですけどね。あの人、結構部下とかにも秘密を教えようとする人じゃないので。側近の俺でさえもよくわからないお方なのでね。俺が知ってることと言えば・・・・修羅って名前だけですね」


「・・・・そうなのか」


ため息と一緒にそうつぶやく神羅の表情が、今までに見たことのないような表情で、俺は対応に困った。なんと言っていいかわからずに、とりあえず、優羅のところに連れて行くことが先決だと思った。


「まぁ、とりあえず、俺について来てくれれば的確です。俺、こう見えて、方向感覚抜群なんで」


「そう言えば、お前、名前は?」


そう聞かれて、俺は、とっさに本名を答えそうになったが、優羅の言葉を思い出して、何とか喉元でその言葉を飲み込んだ。


「俺は、優羅って言います。以後、お見知りおきを」


俺はそう言うと、出来るだけ優羅っぽくお辞儀をして、あいつなら握手ぐらいするだろうと思って、握手をした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ