準備の途中でしたが上手く騙せましたので、結果オーライってことで!
そいつを見て、もしかしたら神羅の仲間なのかもしれないと思って、ずっと観察を続けていると、神羅が部屋の奥にある骸骨に走りよって来たが急に減速して立ち止まった。
きっと、俺が死んでしまったと思って驚いたのかもしれない。後から入って来た奴も、骸骨を見て、そのまま歩き出そうとしなかった。
誰も何も言わず、耳が痛くなるほどの沈黙が続いていたのだが、突然、最後に入って来た奴が歩き、部屋の奥にある骸骨に触った。本物だと信じられない様子だ。
「これ、本物なんじゃないか?」
そうそいつが言うと、今まで黙っていた神羅が、ボソッと呟くように言った。
「・・・・それを言うな。言われなくても、希望なんか持っちゃいない。その髪の色は族長のだ。間違うはずがない」
神羅はそう言っているが、俺の髪の色は全然違う。もっと、純金に近い色だ。
「おい、俺の髪はもっと純金に近い色だぞ。そんなブロンドみたいな色じゃないぞ!」
「シッ!」
俺がボソッとつぶやいたものだから、優羅が慌てて俺の口を塞ぎ、ついでに羽交い絞めにされた。羽交い絞めにされる意味もわからないが、あまりバタバタ出来ない為、俺は大人しく羽交い絞めにされていた。
「しかし、どうして髪だけが残ったんだ?」
「・・・・俺が知る訳ないだろ?」
「・・・・」
神羅の言葉に、骸骨に触れた奴は黙り込んだが、一番最初に入って来た奴が話し出す。
「元気を出せとは言わない。だが、そんな顔をするな。族長殿の為にも我々は、ここを無事に出よう」
死んでもいないのに死んでしまったような感じで話を進められるのは、なんとも不思議な気分になる。まぁ、そう言う機会が滅多にないだろうからこの気持ちは伝わりにくいと思うが、なんとも不思議な気持ちだ。そして、一つ言えることは、気分のいいものではないと言うことだ。
「・・・・」
神羅は、そんな仲間の言葉に何も反応しないまま、骸骨に近寄ると、髪を取った。
「おいっ、あの鬘、なんであんなに簡単に毛が取れるようになってるんだよ!」
「色々想定したところ、あんな風に直ぐに抜けた方がいいかと思いまして・・・・」
「色々想定したって、何を想定したらあんな鬘が出来上がるんだよ。それに、そんな無駄なところに試行錯誤するのなら、もっと、俺の髪の色に近い色に染めようとか思わなかったのか?」
「いつまでも髪の色のことを言わないで下さい、しぶといですよ。とりあえず、黙りましょう」
優羅の言葉にイラッとして口を開こうとするが、それをいち早く察した優羅に再び口を塞がれ、やっぱり抵抗出来ず、素直に観察を続ける。
「何をするつもりだ?髪などを持ち帰って?」
「何もしない。ただ、せめて髪だけは持って帰ろうと思ってな。そうすれば、みんなも納得するだろうからな」
「・・・・骨はいいのか?」
そう言われた時は、思わず冷や汗が吹き出した。骨を持ち帰ったら、鑑定とかをされるかもしれない。そうしたら、その骨が俺のものではなく、ましてや、本物の骨ではないと言うことがバレてしまうと思ったのだ。
「重くなるだけだ。それに、骨なんかで本人とわかることはない。だったら、髪の方がいい」
俺は、その言葉を聞いて、大きく息を吐いた。そして、神羅がDNA鑑定と言う言葉を知らなくてよかったと言う気持ちになった。まぁ元々、人間界にしかない技術のようだが、何があるかわからないから心配したのだ。
「それじゃあ、俺達はここからでるのか?もうお前の族長はいない訳だし、ここにいる意味もないだろ?」
「・・・・いや、まだ、しばらくここに残るぞ」
神羅の言葉を聞いた時、俺達は驚いて、互いの顔を見合わせた。俺が死んだ今、神羅の目的はないに等しい。それなのに、どうしてこんな危険な監獄にいたいと言うのかと思ったのだ。
「なぜ、こんな危ないところに残るんだ?」
「・・・・言わなくてもわかってんだろ?なら、言わせんなよ」
そんな神羅の言葉を聞くが、はっきり言うと、俺達は何がなんだかさっぱりわからなかった。テレパシーが使える訳でもないのに、何をどうやって理解しろと言うのだ。