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想造世界  作者: 玲音
第四章 種族争い
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面倒だから、説明しません

「今日は何曜日だ?」

「今日は、日曜日ですね」

「・・・・そうか、今日、俺は死刑にされることになるんだな」


「そう言うことですね。でも、死ぬ訳には行きませんよ。なぜなら、今日、あなたの救出作戦が始まるようですから」


「と言っても、どうするんだよ?」


「そうですね・・・・一回警備員について行って、死刑になるまでの過程を調べたところ、警備員に捕まったら、もう、逃げるタイミングはなさそうです。だから、元々、自分で自殺したと見せかけて行動しましょうか」


「・・・・そんな簡単な方法で騙せると思うか?」


「はい、この地獄監獄とは、自殺をする囚人が多いことでも有名ですから。自殺したと見せかければ、何の疑いもないでしょう」


「・・・・なら、なんで、最初からそうしないんだ?」


俺の最もらしい発言に、優羅は一瞬考え込む。きっと、そこまで思考が行かなかったのだろう。しかし、それを俺に素直に言うのがしゃくだから、何かいい理由がないかと考え込んでいるみたいだ。


「私達の居場所を確保する為です。貴方が自殺したことになると、この部屋は他の囚人に回されてしまう為、居場所がなくなります。だからです」


そう言った優羅の表情は、大人とは思えないほど嬉しそうな表情で、俺は、どうのこうのと言えなくなった。


「・・・・そうか。でも、死んだって見せかけるには、どうしたらいいんだ?」

「そうですね・・・・。あっ、それは私に任せて下さい!」

「そう言われても、どうするか教えてもらわないと、俺は動けないぞ」


「・・・・ここの部屋に、幻覚を見せる薬を巻きます。そして、部屋の奥には、骸骨と、この・・・・」


そう言って優羅が懐から出したのは、どこで使うのかわからないぐらい長い金髪の鬘だった。


「・・・・それは?」


「骸骨にこれを被せれば、貴方の死体だと思わせることが可能でしょう。そして、警備員がそれを確認して出て行ったところで、我々はこの部屋から出ます」


「おいっ、ちょっと待て!」

「どうしました?」

「今、言葉がおかしくなかったか?」


「何がですか?」


「警備員が、俺が自殺したと確認してから部屋を出るって部分だ!普通、先に出てるものじゃないのか?薄暗いと言っても、相手は懐中電灯を持っているし、この部屋は狭いんだ。おかしくないか?」


「・・・・まぁ、そうなんですけど、もし、警備員に私達がいることがバレても、それを周りに知らせる前に気絶させて、鍵を奪い、ここの鍵を閉めてしまえばいいのです。そうすれば、彼は真実を知っていても、ここから出られないので、私達が生きていると言うことを知る者はいないと言うことになります」


「だが、通信手段になるものも奪っていかないと、意味がないんじゃないのか?」


「大丈夫です。この部屋の中は、電波などが繋がらないようになっているので、あらゆる通信手段を使っても、外に通じることはないでしょう」


「なるほどな。しかし、まだまだ言いたいことが沢山あるんだが・・・・」


俺がそう言いかけると、優羅は俺の口元に指を突きつけると、言葉を遮り、何かの機械をいじくり出した。何をしているのかわからないが、俺は腑に落ちないまま黙らざる終えなかった。


しばらく俺は、イライラを堪えて黙っていたのだが、優羅が一心に機械の画面を見続けて、いじくり続けている為、ついに限界が着て、優羅の頭を思い切り叩いた。


「なっ、何するんですか!?」


「お前、何一人で機械をいじくり続けてるんだよ!少しは俺の気持ちも考えろ!何を調べてんだ!」


「・・・・まぁ、色々とですよ。では、行きましょうか」

「おい、どこに行くんだよ?」

「とりあえず、この、地獄監獄にある研究所へ行こうと思います」


「・・・・なんでだ?」

「それは・・・・面倒なので、説明しません」


俺は、その言葉にイラッと来たが、大きくため息をつくと、さっさと動き出す優羅の後を追って、歩き出した。


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