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想造世界  作者: 玲音
第四章 種族争い
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救出作戦開始!

部屋に戻ると、みんなが自分達の役割を整理し終わっていて、

今直ぐにでも作戦を実行出来るまでになっていた。

残るは、俺たちが帰って来るだけと言う状況まで進めていたらしい。

さすがは大人だ。子供と違って、何も言わなくても話を進めてくれる。


「では、作戦を実行に移すが、いいか?」

「大丈夫だ。準備は出来てる」

「よし、では、作戦開始だ!」


掛け声と共に、「おーー!」と言う声が上がり、みながバタバタと部屋から出て行く。


俺は、灸縁と共に、地下へ続く階段のある場所まで歩いて行く。


「結構いい奴らなんだな、お前ら神ってやつも」

「失敬だな。我々は、常に清い心を持っている」

「そうか?俺達の殺し合いを楽しんでみているような奴らがか?」


俺の言葉に灸縁は目を見開き、深くうなだれた。


「本当にすまない。私としたことが・・・・」


「気にすんなよ。別に俺は、あんたらを攻めてる訳じゃないんだぜ?

さっきのは、ふざけて言ったんだし・・・・」


「申し訳ない・・・・」


「ってか、もう、気にしてないしな!

お前らが族長を助けることに手を貸してくれてるからな!」


「・・・・」


申し訳なさそうな目で灸縁は俺の方を見る為、首を大きく振った。


「おっ、第一地点だな」


俺は、次の角にある監視カメラを発見し、トランシーバーで話しかける。


「おい、そっちの方は大丈夫か?」

「ああ、一応警備室には侵入成功」


その返事を聞いて、灸縁に向かってうなずくと、再び通信が入る。


「こっちも準備完了だ。カメラを破壊する準備は出来ている」


「よしっ、それでは、カメラを破壊してくれ。

出来るだけ姿を映さない方がいいが、姿を捉えられても、

警備室にいる奴が監視カメラのデータを初期化するから大丈夫だ」


「了解」

「ああ、任せろ!」

「では、検討を祈る!」


そう言ってトランシーバーを一端しまうと、灸縁に準備をするように言って、

自分も、壁に張り付いていつでも走り出せるように準備をしている。


ここで少し、この地獄監獄内に設置されている監視カメラのことを説明しよう。


ここの監視カメラは、動くものの気配を感じると、

そちらの方に自然と向きを変えるように出来ている。

だから、監視カメラの前を通ると、

今まで左側を向いていた監視カメラが追跡するように動いて、

その人物の姿を捉え続ける。だから面倒なのだ。


その上、人間界にあるようなボロい監視カメラとは違い、

ここの監視カメラは破壊することが容易に出来ない。

と言うのも、画面を破壊したとしても、超高速スピードで自動修復作業を行うのだ。


信じられないだろ?カメラが自分で自分を修復するんだ。

しかし、これがありえるから厄介なんだ。

修復する時間は故障の頻度によって違うが、

思い切り画面を壊しても、せいぜい30分後には元通りになる。


30分以内にここを通ることは可能だが、一度監視カメラが破壊されると、

監視カメラが警戒モードになる。

それは、壊されたカメラが修復作業を終えた後に作動することなのだが、

警戒モードになると姿を捉えるだけじゃなく、

攻撃もしかけて来るようになる為、色々と面倒なのだ。


となると、30分以内にカメラを破壊、進む。

の動作を繰り返し続けなければいけないのだ。


カメラを完全に破壊することは可能なことは可能だ。

しかし、カメラを破壊した時点で、警報装置が作動する為、破壊してはいけないのだ。

だからって手加減をすると、直ぐに修復作業を終えて警戒モードに監視カメラが入る。

だから、壊さない程度に強く衝撃を与える必要がある。


これでだいぶ、この地獄監獄と言う場所にある、

面倒な監視カメラのことがわかってもらえただろう。


「では、破壊するぞ?」

「OK」


俺が答えた途端、どこからか鋭い刃物が飛び、

それを捉えた監視カメラがそちらの方に画面を向け、その攻撃をもろに受けた。


「よしっ、この打撃で与えられた時間は・・・・10分!?」

「なっ、10分なのか!??」


「ああ、修復時間に10分かかりますと表示されている。

でもまぁ、とりあえず、画面には何も映っていないから大丈夫だ。

音声データもちゃんと消しておくから安心してくれ」


「了解だ」


俺は、灸縁に手でついて来るように促すと、

監視カメラの前を通り過ぎ、次の地点まで走って行く。


十分とは想定外だった。俺達の作戦では、最低でも20分は必要だ。

それなのに、10分となると・・・・出来るのか?


そう思い、自然と足を止め、大きく息をついた。


「どうした?」

「いや、なんでもねぇ」


俺はそれだけ言うと、再び走り出す。

出来る出来ないを考えている暇はない。今は、頭よりも体を動かすことが先なんだ。


「物凄い汗ではないか。本当に大丈夫か?」

「ああ、多分な・・・・」


普通の汗と、冷や汗が混ざっているのかわからない。

ただ、いつもより汗の量が多い気がした。


「とにかく、次のポイントまでもう少しある。

そこまで走ったら、一回休憩をしたらどうだ?顔色が悪いぞ?」


「大丈夫だって、俺は平気だ。熱でも出ない限り、倒れたりしないさ」


「・・・・そうか。ただ、あんまり無理をしてはいけないぞ。

族長様も、お前が倒れてしまってはお喜びにならないだろう」


「俺たちの世界では、結果が全てだ。

いくら頑張りましたと言っても、族長を助けられなかったら、

俺は非難されることになる。

体調を崩したと言おうが、全治三ヶ月の怪我を負ったと言おうが、

結果が成功か失敗かで周りの目は決まるんだよ」


俺の言葉に灸縁が怯む。


そうだ。酷いとか辛いとかありえないとか色々思うこともあるが、

俺達の世界ではそれが普通なのだ。


例えば、医者の場合、治せる確率が低い病気と言うものがあると思う。

それを治せと言い、10パーセントしか生存確率がないと言っても

手術をして欲しいと言って来る為、ダメもとでやって、やっぱりダメだったりする。

すると、自分達がやれと言ったくせに、失敗してどうのこうのうるさく言われる。


それから、店の店員の場合は、命をかけて強盗犯に立ち向かったのだが、

殺されてしまって、店の物を盗まれた。

すると、死を悲しんでもらえるどころか、ずっと悪口を言われ続けることになるのだ。


命をかけて守ろうとしても、結果が失敗の場合は非難される。

そう言う悲しいことが、俺達の世界では普通なのだ・・・・。


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