エピローグ:ミライ・クリエイト!
日も暮れ、パーティーはお開きになった。
今は、陽給とふたりきり帰り道を歩いている。19時も過ぎたので、家に帰された。母は陽給の母とまだ話している。よほど気が合ったのか、それとも陽給母の陽キャパワーに捕縛されたのか。
セミももう鳴いていない時間だ。8月も終わり。もうすぐ夏が終わろうとしている。
7月の始めから始まった、奇妙な冒険も、終わりを告げた。
「改めて、色んなコトあったよね。レッドグロウに乗って、正義の組織に入って、世界を救って……今回は火動のママが増えちゃったし!」
「増えてはねぇよ」
そこか、とツッコむ。
「新学期になっても、ずっと一緒にいようね! 今度、お弁当メンバーに神薙ちゃんも増えるから、忙しくなりそう!」
「……本当に、感謝してる。ずっと、俺を引っ張ってくれて」
「まーたまた。友達で相方だったんだから、当然だよ!」
陽給はすっかり元の調子に戻っていた。快活に笑っている。火動の隣で、ひまわりのような笑顔を振りまいている。
これでいい……いや。
水面緒の一言が思い浮かぶ。今の火動は、彼女が一番いたかった場所に立っているのだ。
迷っている場合じゃない。水面緒がいたら「もっと押して押して!」と言うだろう。だけれど、今の自分にはこれしかない。
夏はもうすぐ終わり、秋が来る。冬が、春が、そしてまた夏が来る。その季節の中を、一緒にいたい。一緒に生きたい。
陽給の目を、真っ直ぐに見つめる。彼女の瞳の中にも、火動が写っていた。
今度は顔が赤くならないように。照れないように。逃げないように。この空想からは、逃げたくない。
火動達のミライは、これから創っていくのだから。
「……陽給。俺と、」
ずっと一緒にいてくれないか。
……良いプロポーズの言葉なんて、万年無表情に思いつくわけがない。




