未来へと続く夢:最終決戦! A・Aの力!①
再生途中の要塞は脆く、あちこちに巨神すら通れる空間が開いていた。あの遺跡での一幕は意外と効果があったのかもしれない。棺を手早く再生してくれたマリーゼに感謝しながら、先へと進む。
内部は異様な空間だった。
「うわ、なんかグロ……」
「……鉄の華、みたいだ」
あちこちに量産機が重なり合っている。まるでヒトガタの物で創られた壁のように、あるいは折り重なった死体のように。
これがあの男が夢見た光景だというのか。
前を見ると、コアから暗緑の光が溢れている。それは人の形になり、量産機へと変化していく。その向こうには、白い量産機。ディールの声が響く。
「まさか……火動ママのエネルギーを使って!?」
『親子対決だ! 楽しませてくれよ!』
「「このやろっ……!」」
ディールへと迫るが、その間に量産機が塞がる。まるで機械の盾のように。陽給が叫び、ディールへと突進する。
「邪魔するな、エプロン野郎ーっ!」
人が乗っていない量産機ならば手加減は要らない。赤と橙の拳が砕き、進む。だが、数が多い。要塞の残骸だったとは思えないほど現れる。まるで電灯に集まる虫群を思い起こさせる。
「くそっ……!」
頭の芯が熱くなる。こんなところで立ち止まっている訳にはいかない。今も、大切な人のエネルギーが、生命力が使われているのに。焦燥ばかりが積み重なっていく。
「ここはマイナスエネルギーの集まった場所だ! 怒れ、嘆け、それがコアの動力源となる!」
光景が見えた。記憶再生とは違う。強引に過去へと引っ張られたような不気味な感覚。悪い夢を見ている時のように、心が重い。
そこは、研究室だった。培養槽の中には、胎児がいた。……何もわからないのに、それは「自分である」と感じられた。いや、自分なのだろう。培養されていた頃の「火動」だ。
「火動」に敵意を向ける、「火ノ原唯架」という女性。
「……っ」
見たくない。それなのに、悪夢のようにリフレインする。体の芯が揺れ、これは現実であると叫ぶ。認めたくなどないのに。
『これが事実というものだ』
どこからかディールの声が響く。あの時のように、心に直接響くような、反抗したいのにその意識すら溶けていく、重だるい感覚。
『だからさっさと降参したまえ。君の親はもう既に居ない』
「納得できるか、こんな光景! お前が仕組んだんだろう……!」
頭の奥が熱を持つ。悪夢の光景と合わさって、自分でも驚くほどの怒りが沸き立っていく。敵意。不信。憤怒。苛立ち。狂気。
レッドグロウの背中から音を立て、無数のトゲが現れた。赤銅色のそれはバキバキと結晶のように積み重なり、鮮やかな色合いを埋め尽くしていく……!




