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未来へと続く夢:「栄光」の未来③

 ディールは生体コアの前に立っていた。無論、あの忌々しいエプロンとやらは脱ぎ捨てた。あの着慣れた白衣がないのはやや癪だが、本当に些細な事だ。


 あの女は順調に、核としての役目を果たしている。要塞と繋がっている限り、生体エネルギーは朽ちる事も終焉もない。


「ようやく……ようやくだ」


 もうファティアはいない。コアさえあれば、多少出力は劣るものの量産機は作り出せる。依然として棺の根幹は不明だが、始まりの地……アマテル本部さえ滅ぼせば遺跡の探索が出来る。再び棺を再生することも可能だろう。


「……これで、私を抹消した世界へと報復できる」


 棺・空想・巨神。そのシステムを見た時の事は、決して忘れない。


 これぞ天啓だと心から信じて疑わなかった。これさえあれば、あらゆる武装が可能になる。


 世界を鉄の夢で満たし、支配する。


 あの洗脳薬……『ナウシス』さえ足せば、あらゆる存在が己に従うだろう。後は簡単。世界は己のものだ。


 ナウシスを開発した時、ディールは追放された。あまりに危険すぎる技術の持ち主として。今も己を苛む忌々しい記憶だが、それも勝利の美酒へのスパイスというものだ。


 コアからエネルギーを受け、巨神が現れた。量産機「スペキュラティ」。数だけを目的としたシンプルな機体だ。それで十分。


 モニターの一つが、アラートを告げた。


 ディールは微かに眉を上げる。映像には消えたはずの赤い機体が写っていた。アマテルの者どもが、何らかの手段で巨神をもう一度発現させたのだ。


「……それで良い」


 喉の奥で嗤う。棺の中には、ヴァースのクローンがいるだろう。次こそ全てを奪い、絶望の中で殺してやる。機体はスペキュラティでは物足りないか。いや、これでいい。アマテルの巨神1体さえ潰せれば、それだけでいいのだ。


 鋼鉄の手のひらへと足を乗せた。駆動音が響く。再現されたAIが、ディールの思い描いた技術を実現してくれる。


 アマテルの者達は直に現れる。


 見るのはこの先だけ。


 栄光の未来だけだ。



次週に続きます!

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