宇宙へ
「…またこの天井か。」
「済まないな。まさか、傷が開いてしまうとは思わなかった。」
「…ザビーダ少尉。寝たままで失礼致します。」
「かまわんよ。当分は絶対安静だ。君の入隊の確約を総司令から頂いた。君は私の直轄部隊所属となる。他の上官達の指示は聞かなくて良い。その点も総司令から許可を頂いた。」
「それはありがたいです。」
「まずはゆっくり休んでくれ。傷が治ったら帝国軍については色々と教えよう。」
「ありがとうございます。」
1週間後…
「ようやく動けるな。」
「動けはするが、戦闘に参加するのは明日からにしてくれ。」
「ありがとうございました。サスナエル医局長。」
「なんの。君がいなければ、私もあの戦場で命を落としていた。君には返しきれん恩がある。ケガしてなくても暇な時にいつでも寄ってくれ。」
「ありがとうございます。そうさせて頂きます。」
「退室時は、出入口の直ぐ側にある取っ手を掴んで右に進みなさい。」
「何かあるんですか?」
「行ってみればわかるよ。」
「わかりました。失礼致します。」
俺は彼の言う通りに出入口のそばの取っ手をつかんだ。するとそれは自動で動き出した。
…浮いてる!?もしかして…
通路の次あたりまで進むと…
「これは…」
俺の前に、全面ガラス張りの展覧室があった。外は星々の輝きを放つ宇宙空間が広がっていた。
もしかしてここは…
「ここは、南部方面軍旗艦インペリアル・シールドです。」
「旗艦?それよりも口調が。」
「気にしないでくれ。それよりも…」
な…
「頭を上げてください。平民の上、奴隷上がりの私に頭など下げては…」
「いや、君は私だけではなく南部方面軍選抜部隊に所属していた全員にとっての恩人だ。今回の任務は南部方面軍の威信をかけた作戦だった。この任務の成功は、南部方面の平和に大きな一歩を踏み出すものとなった。君はその功労者だ。」
「そんな…」
「私はまだ少尉ではあるが、皇帝陛下から直接褒賞を授与頂き、少尉となった。軍では皇帝陛下からの授与は特別なものでな。現場では少佐と対等であると判断される。」
「それは…初めて知りました。」
「当然だ。帝国独特な伝統文化だからな。だが、この地位があれば君の安全は保証することができる。君の所属は南部方面軍航空師団第一戦闘航空団内ファントム飛行大隊内ケルベロス中隊所属。そして、ストライダー小隊の1番機だ。」
「…1番機?小隊長!!」




