報告
いや〜。彼の実力はやはりホンモノだった。
彼の動きは前回よりもはるかに洗練されていた。
まぁ…傷が開いてしまったたことで、医療主任から私はこっぴどく叱られてしまったのだが…
それでも、確認した意味はあった。
彼の実力は十分に正規軍でやっていける。
これでビギナーズラックではないことが証明された。
銃撃訓練についても予想をはるかに上回る実力だった…。本当に素人を相手にしているのか疑問に思うほどに。
まぁ…いい。今回の件について私は総司令に報告に来たんだ。彼の実力を伝えたうえで、航空軍の復活を願い出なくては。
「失礼致します。ザビーダ少尉であります。」
「入りなさい。」
今回私が来たのは、司令室ではなく総司令閣下の執務室。報告の件をお伝えしたら、執務室で確認したいとのことだった。
一応報告用に映像を記録していたことが功を奏したようだ。
「それで?報告とは何だ。」
「先程、エドワード伍長が目を覚ましました。その上て閣下の指令をお伝え致しました。」
「彼の者は驚いたか?」
「ええ。」
「それはよかった。それで?」
「彼の銃器の腕前と戦闘シミュレーション機にて操縦の腕前を確認いたしました。」
「ほう…それで?」
「射撃については、パイロットとしては満点合格。恐らく、南部方面軍の中でも特に秀でた部類に入るでしょう。」
「何点だったのだ?」
「500点でした。」
「素人とは思えない記録か…。帝国南部方面軍における陸軍としては及第点ではあるが。空軍にしておくにはもったいないな。まぁ…それで、シミュレーションの方はどうだったのだ?」
「実際の戦闘時よりもはるかに早くそして、損傷することもなく撃滅しました。ただ、傷が開いてしまいましたので、しばらく安静にするにつようがあります。」
「そうか…。それならば、入隊は予定通り進めよう。彼は救命ポットに入れたまま、旗艦に戻るとしよう。」
「ようやく戻るのですね?宇宙に。」
「あぁ。彼が次に見るのは宇宙だろうな。」




