シミュレーション
「これは、戦闘機シミュレーションだ。通常は正規部隊入隊前の新人兵にやらせるものだが、難易度を上げて実施してもらう。」
「難易度はどれほどに?」
「ケガもあるだろうから、まずは今回の戦闘の一般機で腕試しをしてもらう。」
「では…同時に5機相手でお願いします。」
「勇気は買うが、その身体では…」
「全快してるなら10機と申し上げたでしょう。ご安心を。隊長機は苦戦を強いられましたが。彼らの動きは頭に入っています。」
「では、その自信見せてもらおう。」
いや〜楽しみだな!あの時の戦闘を再度見られるとは。彼の実力を正確に見るために煽ってしまったが…。これを見終えたら、これまで口調を謝罪してより良い関係を築いていこう。
「…準備できました。お願い致します。」
「それでは…始め!」
シミュレーション機は、ゲームセンターにあった大型筐体に乗り込み、機動戦士を操るものによく似ている。
より専門性によってはいるが、こっちのほうが操作は簡単だ。
そして…俺は集中した。
次々に襲いかかる敵。
モブ兵達は早々に片付けた。
段々と増えていく敵。
それも片付けるとあのエースパイロットが出てきた。
動きは正確に覚えている。
ミサイルを撃つタイミングも。
俺はあの時の半分の時間で敵を殲滅した。
その代わり…数カ所、傷が開いてしまった…




