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開業への第二歩目 ~ 『 さらに資金調達 』



 さすが、いっこく橋動物病院院長の後ろ盾は強く、さらに実家の人質の効果も相まって数週間後には銀行の2階で実印を押していた。

 こー言うのって、わたしは頭を下げてるだけで、話が進んでいくんだな。


 さぁ、土地はなんとかなったぞ。

 次は建物とその中身のためのお金をどうにかしなきゃね...。

 てなわけで、さらにお金を借りるために奔走する。今度はわたし自身の価値がどれだけあるか...。(きつなぁ、これ)

 銀行に、「事業計画書だして」なんて言われた。

 なんだ、それ?

 どうやら、どのように病院の売り上げがのびていくのかってのを書けばいいらしい。

 でも、そんなの書いたことないから、てきとーに右肩上がりの数字を書いて出す。

 「先生、これじゃ、すぐにお金持ちになっちゃいますよ」と、銀行の担当のヒトに笑われた。

 だよね...。


 あと、公庫とか保証協会とかにも足を運ぶ。利用できるものは何でも利用するぞ。

 でも、こーいうのって具体的な計画がないと話が進まないので、建築屋さんとか器械屋さんにとりあえず借りたいお金に合ったサイズの病院の見積もりを出してもらう。

 ま、てきとーな病院のイメージが出来ちゃうわけね。


 その後、「わたしはこんなにすごい手腕の持ち主です!」と適当なことを言いつつ自分を売り込み...、

 おでこがすり切れるくらい頭を下げたり(あんた個人に借りるわけじゃないんだけどな)...、

 大人の世界の裏のやり取りをしたり(そんな大げさなものじゃないけど)...、

 あとは…ひたすら笑顔を振りまき、

 そんなこんなで「貸して下さいよぉ」とひたすらお願いをした。


 そして、いい加減頭を下げるのにも疲れ果てた頃、なんとかめどがついた。

 いやぁ、まじ、疲れたぞ...。


 それにしても、こーいうのって今までとは別次元、別世界。

 こんなとこにどっぷり浸かってたら、獣医さんの仕事すっかり忘れちゃいそう...って思った。

 いっこく橋でアルバイトしてて良かった...、ほんと。

 バイト代、結構もらえたし。




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