表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/10

開業への第一歩 ~ 『 場所 』


 やっぱりぜんぜん知らない場所よりも多少なりとも知ったところの方がいいと思い、まずは住み慣れた実家の近辺でテナントを探した。

 さらに何かあった時のために、いっこく橋動物病院寄りの方向にしよかな...なんて。

 真紀ちゃんの病院みたいに一軒物のテナントがいいなぁ...って思ったけど、なかなか都合良く見つからないんだよね。

 これいいかも!って物件があっても、近くにすでに動物病院があったりで。

 そんなわけで、しばらくあちこち不動産屋さんめぐりが続いた。

 

 それでもいい物件がなく「もーだめかな」ってあきらめてた時、「いっそのこと土地買ったら」と不動産屋のおじさんに勧められた場所があった。

 そんなの買えないよぉ...と言いながら、とりあえず見にいってみる。

 そこはその時、資材置き場になっていた。

 周囲を見回す。

 角地で、なんだかとっても日当たりのいいとこ...。

 ひなたぼっこに良さそう。

 いいなぁ、ここ...。


 欲しくなっちゃった...。



 まぁ、やってみてダメならそれでもいいじゃん!

 あきらめがつくからね。

 なので、どんなものか資金繰りをしてみることにした。

 まず、自己資金。

 がはは。いっこく橋に約6年勤め、贅沢もせずに貯めたお金が山ほどあるぞ、どーだ!

 って思ったけど、ケタが違うな...。撃沈。(T-T)

 困ったな。

 となると、どれだけ借りれるか、だね。

 それに、これからのこと考えるとお金の専門家のアドバイスも必要だよね...。

 てなわけで、いっこく橋の院長に銀行を紹介してもらった。それによって、芋づる式に病院建築に必要なヒトたちが出て来てくれた。

 よし、役者はそろった。

 あとはお金だ...、ってこれが一番問題なんだってば!


 まぁ、親にお金がないことは十分分かってるから、当てには出来ない。ならば、せめて実家の小さな土地を人身御供とさせてもらおう。

 親なんだから、それくらいしてくれてもいいよね。あとは自分でなんとかするからさ。

 そんな話をして実家から帰る時、車で走り出すとルームミラーが実家の建物を小さく映した。

 もしわたしがポシャったら、ここなくなっちゃうのかなぁ...。

 こりゃとんでもないこと始めようとしてんだな...と、これから自分の身にのしかかってくる事の重大さに、ハンドルを持つ手が震えた。

 こわいよぉ...。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ