捨てられた子
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私の家はよく引っ越しをする。
それは親の仕事の都合とか私が前の場所でやらかしたからとかそういうありがちなものではない。
なにが原因かっていうと、家で度々起こる心霊現象のせいだ。
何度引っ越しても起こることから家が呪われてるってわけじゃなく、多分親が呪われてるのだ。
そして誰に呪われてるかも親には心当たりがあるみたい。
そう思い、私はお絵描きの手を止め棚の上にある写真立てに目を向ける。
そこにはお父さんとお母さん、そしてお母さんに抱えられる一人の子供の姿があった。
その子はかつて私たちの家族だった子だ。
今から七年くらい前だろうか、
夜、旅行するために高速道路に乗ってた時お父さんが居眠りをしてただからだろうか。
車が突っ込んでしまったのだ。
その子が乗ってる側だけ...
お母さんがずっと泣いてた姿は脳裏に焼き付いて離れない。
もうあんな姿は見たくない。
名前もどんな性格かも忘れてしまったけど今思えばかわいそうに感じる。
嫌な記憶を消したかったのかもしれない。
それ以降私は車に乗ることはもちろん、外に出ることもできなくなってしまった。
脱線してしまったがその子がなぜ関係してると考えてるかと言うと、大体が私のもので心霊現象が起こるのだ。
ぬいぐるみが飛んできたり、スケッチブックに勝手に絵が描いてあったり...
きっと、死んだ自分がいながらのうのうとしている私が気に食わないのだ。
それを見るたびお母さんは泣きながら「ごめんね、ごめんね」と謝っている。
自分が運転していたわけでもないのに。
その後お祓いにも行ったりしたが結局戻って来てるらしい。
そんな問題にずっと頭を悩ませていた。
そして今も窓が割れる音が家を響かせる。
両親が慌てて下に降りてきてリビングに来ると割れる窓とそれを割ったであろう私の筆箱がある。
「また真衣がやったのか!」とお父さんが私を疑う。
私は涙目になりながら必至にやってないと言うがそれでもお父さんは怒鳴ってくる。
「もうやめてください!」というお母さんの言葉にお父さんは静まる。
私は泣きながらお母さんの足にしがみつく。
するとお母さんはまた「真衣、ごめんね」とつぶやく。
お母さんが悪いわけじゃないのに。
翌日、私のものはすべて捨てられていた。
私が寝ている間にお父さんが捨ててしまったのだ。
段々と涙がこみあげてくる。
泣きながら私のもの返してよ!と叫ぶがお父さんは聞く耳を持たない。
お母さんも起きてきて私のものがなくなってることに気づく。
「なにもここまですることないじゃないですか!」とお母さんが言う。
それに対してお父さんはお母さんの方を向き、怒りを露わにする。
「うるせえ!あんなものがあるからいつまでもあいつが来るんだ!」
それが聞こえると同時に棚にあった食器が割れる。
大事にしていたものが捨てられ怒っているのだろう。
だけど私はそれに気を向ける余裕もなく、ものが捨てられたことに対して泣くことしかできなかった。
気づけば部屋に残ってるのは私とお母さんだけになっていた。
お父さんは多分部屋に戻ったのだろう。
「真衣ごめんね、私守れなかった。なにもかも」
お母さんはまた謝る、お母さんが悪いわけじゃないって言いたいけど毎回言葉に出すことができない。
お母さんのせいじゃないって言いたいのに言えない自分が憎らしくてうつむいてしまう。
「真衣、見てて、お母さん頑張るからさ」
そんな言葉を聞き、とっさに顔を上げるとお母さんの手には包丁が握られてあった。
泣いてる間ずっと座っていたからか足に力が入らずお母さんを追うことができなかった、
そして私が部屋に着いたころには血まみれのお父さんと返り血を浴びているお母さんの姿があった。
「真衣、お母さんやったよ!真衣の仇、うてたよ!」と高笑いする。
その姿はとても狂気的で怖かった。
なにがそこまでお母さんを狂わせたのか。
わかっていた。原因はすべて私なんだ。
やがてお母さんも静かになってしまった。
そして私に問いかける
「真衣、私これでよかったのかな」と
帰ってくることのない答えを求めて。
それ以降お母さんの元に心霊現象が起こることはなくなった。
最後まで見てくれてありがとうございました!
自分でもかなり雑だな~wと思ってしまいました。
物語の筋はなんとなくこんな感じで進めようってのはあったんですが肉付けができず淡々と進んでしまい目指していたものとだいぶ変わっちゃったのが残念ポイントですね。
感想や、こんなとこあったらいいんじゃないか?などありましたらよろしくお願いします。