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エピソード8
「異世界に転生したいです」
「日本人?これを書いて、三角形の矢印のカウンターで待ってこい」
「書き方が分からないですけど…」
「俺が日本語を学んだのはいい仕事を見つけるためだけなんだ。お前と付き添ってゆっくりと手続き済ませるためじゃないんだ。こら、見本」
かっぱの図柄のある冊子が投げられてきた。
「珍しいね」
「はい?」
「お前ら日本人は頭の上に皿があるだろう?」
「…」
「あっちのカウンターで嫌がらせされたでしょ?ある日本人をある異世界で無双させてしまったから、その異世界の神からの苦情を受けて、左遷されたんだ」
「へぇー」
「あ、トラックに引かれて死んでしまったのですね。実況見分調書を手に入れないと、次の手続きができないわよ。あ、復活の手続きは外で…ああ、予約がいっぱいですのね…13年2カ月5日以降になっちゃうですけど…地球のガザ地区ならすぐに転生できますよ。当然あなたたちにとっては異世界と変わらないんですわ。」