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莉緒とおばあちゃん

これで物語編は最終話です!

 一方その頃、別の世界では——。


「いやあ、あんたも派手にやったのねえ。まさか、記憶ごと改変するなんて」

「…………」


 少女は答えなかった。ただ相手の言葉を聞き流すだけだ。


「私もびっくりしたのよ。なんてったって——あの『莉緒』が、頭を下げてくるなんてね」

「……あれは仕方なかったでしょ」

「そうかしら? あなたがそのまま行けば、未来の莉緒は殺されていたでしょうに。記憶を改変するだけじゃなく、あなたは未来を変えた。未来を変えるって言うのは、そう軽いものではないのよ。ちゃんと分かってる?」

「分かってますよ、それくらい」


 少女は顔をしかめた。


 確かに自分は未来を変えた。未来の自分を生かす選択をすると同時に、能力のこと、村のことなど、彼女の人生に関わる大きなものの記憶を変えたのだ。


 元々の家族も、嫌な記憶は全て消して、ずっと昔に亡くなったということにした。


 最初のうちは彼女も違和感を覚えるときもあるだろうが、それもいずれなくなるだろう。


「だからね、ちゃんと罰は受けてもらうよ。本当はなくなっていたはずの君の未来を変えたんだからね。——ってことで」


 相手は少女を引き寄せると、自分の手を少女にかざした。


「あなたも、記憶を全部なくして、いるべき場所に戻りなさい。そうね、すでに記憶は改変されているから、あなたの居場所は変わるけど」

「変わる?」

「ええ。元々あなたがいたあの村は、今、莉緒にとって何の思い入れもないものになった。だから、あなたが過ごした日々はなかったことになるでしょう?」

「だからどうするの?」

「そうね……」


 相手が、少女に向かって優しく微笑む。


「やり直してきなさい。全て」

「え……?」

「あなたは幼い頃に家族を亡くし、おばあちゃんの家で暮らしていたということになっているのだから。あなたはおばあちゃんとの幸福の幼少期を創りにいかないといけないでしょう?」

「そうだけど……もし、そうなら!」


 少女は相手の腕をぎゅっと掴んだ。相手が驚いたように目を見開く。少女は続けた。




「もしその設定なら——あなたも一緒に行くんだよ」




 「リオ」が、にっこりと笑った。死んだはずのおばあちゃんは、今でも生きているということになっている。でも、その一度死んだ祖母はここにいる。


「行こう! おばあちゃん」


 「リオ」がおばあちゃんに向けて手を差し出す。おばあちゃんはためらうようにその手を見た後、小さく頷き、手を取った。


「ええ……行きましょう。リオ」


 二人は手をつないで、真っ白い光の方へ消えていった。




この小説を少しでも面白いと思っていただけたら、評価、いいね、コメントの方よろしくお願いします。

また、これまでご愛読ありがとうございました!

まだもう少しこの作品自体の更新は続けるんですけど、それについてはこの話と同時に出すお知らせでご確認ください。

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