「なんか言った?」「なんでも」
結構重要なことも明かされますが、
ちょっとギャグ要素も入れてみました。
どうですかね?
放課後、カフェの中で。
私は桜木さんの隣でアイスティーを飲んでいた。
「で、何なの、教えてくれることって」
「あら、本当に何も知らないとは驚きね」
桜木さんはくすくす笑う。
――なんだかいらいらする。
「知ってるよ、少しは。能力のこととか、何人か能力を持っている人がいるとかそれくらいは」
「意外と博識じゃない」
――「意外と」! なんという無礼! なんという屈辱ッ!!
「そう。私も能力を持っている者の一人よ。
あなたの苗字を見たときから、少しだけれどわかっていたわ。
私の家の書物に、神崎家という名前が書かれていたからね」
「書物? 何よ、それ。そんなものがあるの?」
「ええ。まさか、あなたの家にはないの? じゃあどうやってルールを知ったのよ」
「全部人づてに聞いたり試したりして分かったものだから」
それは事実だった。
ほとんど私が試してなんとなく身に着けたし、人づてと言ってもおじいちゃんとかくらい。
そんなに有力な情報はないと思う。
「ふうん。まあいいわ。とにかく、桜木家と神崎家は代々あの能力を持ってる。
でも、前はそんなに能力も使われていなくて、結構人を助けるために使われてたみたいね。
……まったく、昔の日本人は憎いもの知らずなものね」
「……ごめん、聞かせてもらうけど、あなたは能力を何に使うつもりなの?」
「決まっているでしょう? 人を殺すためよ」
では、一体誰を?
聞こうとするも、桜木さんが顔をしかめてあからさまに聞くなアピールをしてくるので聞けない。
「あんただってそうでしょ? 人を殺す。復讐とか、そういうことのために人を操る」
「……まあね。それ以外にどうやって使えばいいわけ?」
「自分もそうなら、質問しないでよ。ほんっと、性格悪い」
「……ごめん」
「いいよ、怒ってない。でも、今度クレープおごってよね。二千八百円の、いちご生クリームチョコレートうさぎクレープ」
「……それ、怒ってるじゃん」
「なんか言った?」
「何でも」
話してみると桜木さんもかなり話しやすくて、驚く。
「話戻るけど、私たちのほかに、能力を持っている人はいないの?」
「ああ、隣のクラスの柳くん」
「柳? 誰それ」
「私もよく知らないわよ。けど、知っている情報としては、校長の息子で、金持ちのボンボンで、中学じゃ毎日車で送り迎えをしてもらったり、あとは引くレベルの豪邸に住んでたり、めちゃチャラいわりにイケメンで、ピアスあけてて、女ったらし。好きな食べ物はお好み焼きで生まれも育ちもこのあたり。あと……」
「いや、もういいよ。ていうかめっちゃ知ってんじゃん。何が『よく知らないわよ』だよ」
「なんか言った?」
「何でも」
でも私は疑問に思って尋ねた。
「ねえ、でも、さすがにこの学校に三人も集まるなんておかしくない?」
「それは……」
桜木さんがまた何か言おうとして、でも、視線をさまよわせて小さく呟く。
「……知るかよ。偶然だろ」
――今までのオネエ口調から、突然の乱暴口調! おお、なんと恐ろしいものだ、人間というのは!
「とにかく、私たちは柳くんと接触する必要があるわけ。そこでね、ついでにちょっとアタックして、グイ攻めして、なんとかして柳くんを彼氏にするっ!」
「はぁ、ほんとに恋愛浮かれしてるね」
「なんか言った?」
「何でも」
今回も楽しんでいただけたなら嬉しいです。
次回もよろしくお願いします。




