仲良くなるのに大きな理由なんて必要ない
視点が莉緒に戻ってきました~
あとちょっとで終わりですがよろしくお願いします!
目が覚めると、広がっていたのは真っ白な部屋だった。
壁も、ベッドも、何もかもが真っ白で。
ただ一人、ベッドの横の椅子に——柳くんが、座っていて、眠っていた。
「え……?」
小さく呟くと、柳くんがはっと顔を上げた。そして、私を強く抱きしめた。
「え、ちょっとっ、何、どうしたのっ柳くん」
「よかったっ……目覚めたっ……」
柳くんが私を抱きしめて、涙を一筋こぼす。私はあたりを見回した。そこは病院のようだった。
「柳、くん……?」
「このまま目覚めなったらって考えると、本当に怖かった……本当、よかったっ……」
「柳くんってばっ、ねえっ」
私は柳くんを引きはがそうとした。こんなところにもし人が入ってきたら、やばい!
「莉緒が眠っている間——俺ずっと、どうすればいいのかわからなくて」
「柳くん……」
「莉緒が目覚めて、よかったっ……」
彼が、あまりにも嬉しそうにそう言うから。
私は、彼を掴んだ手の力を少し緩めて柳くんに聞いた。
「なんで私、こんなとこに……」
「学校でいきなり倒れたらしい。俺とか桜木とか、他のクラスメイトも原因不明に意識不明になってさ。そのまま緊急搬送されて、莉緒は一週間も目が覚めてなかったんだぞ?」
「ほかの、みんなは? もう、起きたの?」
「ああ。大体一日くらいで起きて、もう退院してる。俺と桜木は昨日やっと起きたから、まだ入院してる」
「そんなに……? なんか、変な夢見てた気がするんだけど」
「ああ、俺もだ。なんか……もう一人の、莉緒みたいなのがいた気がしてさ」
「やっぱりっ⁉ 私もだよ!」
柳くんと顔を見合わせる。そこでなんだかふと、あることが頭によぎった。
「あれ……桜木って、ユウのこと……だよね?」
「そうだけど?」
「なんか、すっごくかかわりづらかった記憶があるんだけど……なんで私、ユウと仲良くなったんだっけ?」
なんだか、頭がずきずきと痛む。なんだろう。なんだっけ。何か、あったはず……。
「柳くんもだよ。校長先生の息子だからなんとなく関わりづらかった気もするんだけど」
「あー、確かに。なんで俺たち、仲良くなったんだっけ……?」
二人で首を傾げる。するとそのとき、隣から声がした。
「まあいいじゃない。そんなこと、どうだって」
「ユウ!」
仕切りのカーテンから、ユウが顔をのぞかせる。やっぱり、私と柳くんが着ているのと同じ、水色の入院着を着ていた。
「ちょっとしたきっかけじゃないの? 人間なんてそんなものよ。仲良くなるのに大きな理由は必要ない」
「まあ……そうかもしれないな」
柳くんが小さく頷く。
私も、確かにそうだなと思った。
「でも……みんな無事で、よかった!」
私がそう言うと、ユウと柳くんが私を見た。
そして、ふっと笑う。
「な、何っ? 何なの?」
「いや、起きてすぐ他人の心配するなんて、さすが莉緒だなあと思って」
「えー? そう?」
私は少し笑って、二人の顔を見た。
何かを一緒に乗り越えたような、そんな気もするんだけど。
まあ、気のせいなのかもしれない。
私は二人の手を取った。
「なんか、腑に落ちないところはあるけれど……でも、私はみんなが大好きだから」
だから、と続ける。なぜか、目から涙がこぼれ落ちていた。
二人が驚いたみたいに目を見張る。私は泣きながら続けた。
「本当、何言ってんのか分かんないかもしれないけど、私はみんなが好き、だから……」
そこでいったん言葉を止めて——二人と目を合わせた。
「生きてて……よかったなぁって、本当に、そう思うんだ」
二人が慌てたみたいな顔をする。ユウはハンカチを出して私の涙を拭ってくれた。
「うん。……そうね」
ユウが、優しく微笑む。柳くんも小さく頷いていた。
「帰ろう、莉緒。桜美鈴学園へ」
私は大きく頷いた。
「うん。帰ろう」
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