もう一人の莉緒 side.雅也
ごめんなさい、予約投稿入れるの忘れてました!!
少し遅くなりましたが読んでいってください!
俺は莉緒をゆすった。桜木も同じようにする。
「莉緒? 莉緒っ‼」
それでも莉緒は答えない。
「きゅ、救急車っ……早くっ‼」
桜木が携帯を握り締め、救急に電話を入れる。
「だめだ……つながらない……なんで⁉」
俺は呆然と立ちすくんでいた。
隣に立っていた少女が言う。
「無駄だよ。もう死んでるんだし。ここは、現在と過去をつなぐ、時間軸をまたいだ場所なの。だから今、ここに来られるのはわたしと、君たちしかいないんだよ」
少女の手には、血のついた包丁が握られていた。
「お前ッ……莉緒に何をしたんだ‼」
「何もしてない。ただ……私は、役目を放棄した未来の自分を殺しただけだよ」
「いい加減にしろよっ‼」
俺はそいつの胸ぐらをつかんだ。そいつは驚いたように俺を見た後、壊れたように笑い出す。
「あはは……あははははっ!」
「どうすれば治るんだ? おい。どうすれば……莉緒は……生き返るんだ?」
「さあ? 私には関係のないことだよ」
「お前ッ!」
俺は思わず叫んでしまう。そいつはおかしそうに笑った。
「ねぇ、悔しい?」
そのまま、そいつは両手で俺の拳を包み込んだ。莉緒の血がべっとりとつき、俺の手が赤く染まる。
「悔しいよね。仲間を守れなくて、悔しいよねぇ」
「あ……あ……」
「ねぇ。憎いでしょう? 私が許せないでしょう?」
「がっ……、うっ……」
「ねえ」
そいつが僕の耳に口を近づける。そしてささやいた。
「わたしのこと、殺しちゃいなよ」
ガシャンッ!
大きな音がして、振り返ると、そこには桜木がいた。近くにあった瓶を思い切り床にたたきつけたらしい。
物凄い目で奴を睨んでいる。その目には涙が浮かんでいた。
桜木は地面に座り込み、膝に莉緒を乗せていた。
頑張って心臓マッサージを試しているらしい。
桜木は目を潤ませて叫んだ。
「……許さない……絶対、許さないから‼」
そいつは驚いたみたいに桜木を見て、すぐに笑みを浮かべた。
「許さなくたっていいよ。許そうが許さまいが……」
そいつは桜木の目の前まで来ると、呟いた。
「それはもう遺体だよ?」
桜木が、目を見開いて息を呑んだ。微かに開いた口から、息がもれる。奴は狂ったように笑い出す。
「いいねえ。その顔。何かに絶望した時の顔、わたしは大好きなんだぁ」
「てめえっ……!」
俺は奴の腕を掴むと、素早く包丁を奪い取る。奴が、おもちゃをとられた子供のように手を宙で左右に振った。
「ねえ、返して?」
「返すわけ、……ねぇだろっ……」
「ふーん。じゃ、いいや。どうせ君はわたしを殺せないしね」
「莉緒っっ‼」
俺は包丁を持ったのと反対の手を、奴の肩に乗せた。そいつは表情を少しも動かさない。
「……お前は、何者、……なんだ」
そいつは少し悩むように宙を睨んだ後、答える。
「んー……そうだね、神崎リオの心の悪の部分? んー違うな。わたしは、昔の神崎リオだけど……」
そいつは俺に顔を近づけ、言った。
「神崎リオの本当の姿だよ?」
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