あなたは何者なんですか?
桜木さんの秘密が明かされるっ……!
その日の放課後。
生徒も先生も誰も残っていない教室で、私はある少女と向き合っていた。
桜木ユウコ。
それが、彼女の名前だった。
「それで、桜木さんは何の用?」
私から呼び出そうと考えていた位だったのに、桜木さんから「放課後、話がある」と呼び出された。
担任も気をつかってどこかへ行ったし、クラスメイトは我さきに帰っていったので、今は桜木さんとふたりきりだ。
桜木さんはよく通る静かな声で私に告げた。
「あなた、喧嘩はお得意?」
「は?」
私は彼女が何を言っているのか分からずぽかんとする。
彼女は聞いているくせに私の返事も待たずにやりと笑った。
「!」
桜木さんは、私の頬に最初の一発目を当てた。
鋭い痛みで頭が冴える。考えるより先に、私の腕も伸びる。
桜木さんは笑う。嫌らしい、魔女のような笑みで。
だけど私がそれに気づくのが、遅れて。
私の手は、桜木さんの腕に一瞬だけ触れた。
『過去一カ月以内に、操る人に一度以上接触』
その瞬間、私は桜木さんを見て念を飛ばす。
『相手の姿を見ながら相手に念を飛ばす』
「ねえ、桜木さん、今どんな気分?」
動けない桜木さんを見て内心にやにやする。
「このまま屋上にでも連れて行って殺しちゃおうか?」
――だけど、私は次の瞬間、どうしようもなく違和感を覚えた。
どうして、私は喋ることができているの?
能力を使っている途中は動けないから話せるわけもない。
話そうと思ったことは、相手の口から出てくるはず。
なのに。
どうして、効かないの?
「ふふふっ……あはははっ!」
桜木さんは笑いだす。ずっと笑い続ける。
「あー、面白い、こりゃ傑作」
桜木さんは目に浮かんだ涙をぬぐっても、なお笑い続ける。
「どう、して……」
「あれ、もしかしてあんた、このルール知らない?」
桜木さんは片目をつむる。人差し指を立てた。
「能力を持っている者同士は、能力を使えないのよ」
そのとき、私の頭に一つの文章が流れた。
それは、能力についてのルールの一文だった。
『能力は、世界で五人ほどが身に着けている』――
まさか。
彼女を盗み見ると、彼女は不敵な笑みを浮かべた。
「本当に何も知らないのね。……いいわ、教えてあげる。ただし、ちゃんとついてきなさいよね」
楽しんでいただけましたか?
リオにはまだ知らないことがいっぱいみたいですね。
これから桜木さんは何を話すんでしょうか?
私も会話の内容を考えてわくわくしてます。それじゃあまた、次の話でお会いしましょう!




