桜木優子の過去4
この部分が抜けていたみたいで……
申し訳ございません!
いきなりとんでいてわかりづらく、読者の皆様を混乱させてしまったことと思います。
次からこのようなことが起こらないよう、しっかり見直ししてまいります。
これからもよろしくお願いします。
「ん…………」
優子が目覚めると、そこは真っ白な世界だった。
「えっ?」
優子は驚いて目を見張る。
「どこここ…………」
あたりに広がるのは一面真っ白で、何もないし何も聞こえない。
「え…………?」
奥に、人がいた。
真っ白なワンピースを着て、色素の薄い髪の毛を腰までの長さにストレートにしている。
後ろを向いていた彼女が、振り向く。
「……っ!!」
美鈴だった。
「みっ、みれ…………」
「ユウ」
美鈴が、静かに呼びかけてくる。
「ごめんね」
申し訳なさそうに眉を下げて、彼女が言う。
「美鈴……」
「勝手なことして、ごめん。ユウは、お兄ちゃんのこともあって、そういうのダメだって知ってたけど……でも、もういいの」
「もう……いい?」
「私は家族のところに行く」
美鈴はきっぱりと言った。
迷いのない声だった。
「みんなが死んだ時から、自殺することは決めてた。みんなのところに行こうって。だけど、それじゃ能力が勿体ないでしょう? だから、跡取りを捜していた」
「のう……りょく?」
「そう。人を操れる能力よ」
優子は目を見開いた。
美鈴は困ったように笑う。
「せっかく持っている能力を、誰かに受け継がずに死ぬなんて勿体ない。だから、私は能力を受け継いでから死のうと思ってた」
「そんなこと、あるわけない……」
「本当だよ。嘘じゃない」
美鈴の瞳は、清く澄んでいた。
その目が、兄の目と重なる。
『優子!』
——お兄ちゃん……。
「人を操れる能力、というのは、一度だけ願い事がかなう能力と引き換えられる。私は、こうお願いしたの。
『みんなと同じところに行きたい』」
「美鈴ちゃんっ……」
「だけど、能力は、少し間違えれば危険なめにあう……だから、ちゃんと理解できそうな人にしたかったの。それが見つかった」
美鈴は一歩優子に近づいた。
ずっと見てきた、整った顔が近くに迫ってくる。
「ユウ。あなたが能力を継ぎなさい」
美鈴は、そう言った。
「……え?」
「詳しいことは、私の実家の書物に書いてあるから。住所は、前渡したメモに書いてあると思うから、行ってみて」
「ちょっと……美鈴!」
叫んでも、美鈴は聞く耳も持たず優子に近づいていく。
「ごめんね、優子」
「……え?」
「ごめん。ごめんね。向こうで、待ってるから」
美鈴は、優子に手を伸ばした。
「……っ!?」
優子の頭に、美鈴の記憶が流れ込んでくる。
双子の、よく似た顔立ちで可愛い弟。
優しい両親。
倒産する会社。
睡眠薬。
怖くなって、美鈴は少しだけ量を減らして飲んだ——。
そのおかげで自分だけ生き残り、叔母との生活が始まる。
毎日のように吐かれる暴言、加えられる暴行。
苦しかったある日、病気の友人に能力を受け継がれ、色々学んでいったこと。
——あのね、ユウ。
はじめてあなたを見たときから、ずっと思っていたよ。
あなたのような人が、能力を継ぐべきだって。
記憶のはざまに、ところどころ声が紛れ込んでくる。
美鈴の、心の声のようだった。
——いつもまっすぐで、曲がったことをしなくて、かっこいいなって。
ユウにとってはありがた迷惑かもしれないけど……能力で、ユウが幸せになってくれたら嬉しかった。
「美鈴……」
——どんな結果になっても、私、いつもここにいるから。
ユウを、見ているから。
寂しくなんか、ならないで。
こっちで、待ってるから、安心して。
「美鈴っっ……!!」
——ユウ。
最期に言わせて。
「私……ユウと出逢えて、よかった」
美鈴の姿が、優子の目に映った。
美鈴は、少しずつ優子から遠くなっていた。
泣きながら、でも、笑って。
優子は、胸の奥が熱くなるのを感じながら、大声で叫んだ。
「私も、美鈴と出逢えて、美鈴と笑いあえて、美鈴と友達になれて……本当によかった——」
目の前が、暗くなる。
気づけば、そこはさっきの施設の中だった。
最後に、美鈴の声が、優子の胸で響いた。
——優子、ありがとう。
それが、本当に最後だった。
美鈴は、息を引き取った。
こうしてみると、この部分がないと、よくわかんないですね……
ごめんなさい!




