絶対に助けるから
おばあちゃんとの思い出が、どんどん浮かび上がってくる。
本当に大好きだった。
だけど、もう、私は過去に囚われない。
前を向いて進んでいこうって決めたから——!
「どいて」
小さく呟くと、木々が道を開けてくれる。
——私は、こんな世界を望んでた。
みんなが、自分の言いなりで。
何をしても、許されて。
そんな世界を、望んでいた。
だけど、それはいいことばかりじゃない。
町に戻ると、一気にみんなが私に群がってきた。
「きゃあっ!?」
やめて!
何度叫んでも、誰もやめてくれない。
——力が、暴走しているんだ。
これ以上時間が経てば……まずい。
私は息を吸い込んで、そのままみんなへ突っ込んだ。
「り、お……」
声が聞こえた。
ユウの声だ。
姿は見えないけれど、彼女の心の声が、頭の奥に響いてくる。
——リオ、たすけて。
他の場所からも、どんどん声がする。
——リオ。
——リオちゃん。
——たすけて、リオちゃん。
そして——
——神崎! 早く行け!!
柳くんの、力強い声。
強力な何かの力に操られ、心と体がまとまっていない。
だけど、それでも、声はする。
——リオちゃんっ!
——早く!
私はみんなに頷いて、前へ駆けて行った。
みんなもついてくる。
「ひっ…………」
まるで、ゾンビに追いかけられているかのようなそんな感覚に、私の胸まで痛んでくる。
——ごめん。ごめんね、みんな。
絶対、元に戻すから——!
そのとき、「神崎」と書かれた表札が見えた。
「!!」
家に転がり込む。
慌てて、扉を閉めた。
ギリギリのところまで来ていたみんなが、吹っ飛ばされる。
だけど、安心はできなかった。
中にも、何人ものゾンビがいたから。
リオ!!!
ユウの声が、耳元で弾けた。
その瞬間、私の頭に、痛みとともに大量のシーンが流れ込んできた。
『ねぇ……おにいちゃん』
一瞬だけ、走馬灯? と思ったけど、すぐに違うと分かる。
頭の中では、女の子がぽつりとつぶやいていた。
『何で……何でよぉぉ』
泣き叫ぶ、ひとりの少女。
それは勿論、私じゃない。
じゃあ、誰の——?
——リオ。
ユウの声と、少女の声が、重なる。
これは間違いなく……ユウの、記憶……だ。
物語が進展してきました。
少しでも面白いと思っていただけた方、評価のほうお願いします<m(__)m>




