「みんなも、クローバーの一員だよっ!!!」
翌日。
せまっ苦しい教室の中に、学年の全員がそろっていた。
「……そんなことが、あったんだ……」
素っ頓狂な声を上げたのは安西さん。
それをはじめとして、みんなは口をそろえて言った。
「なにそれ、最低」
「つまり? リオちゃんは、最低な奴らに仕返しをしたいわけだ」
「そんなの……協力するに決まってる! そうでしょ⁉」
そう。私は、学年の全員に、協力を仰いでいた。
話したことは、私の過去、最低な村の奴らのこと、クローバーのこと、復讐しようと思っていること。
能力のことを持ち出すと、一気にうさん臭くなるのでやめた方がいい、と柳くんに言われて、能力のことは抜きにして話を進めた。
日ごろの私の行いや、私の人気などからも、嘘をついていないことは大体の人が分かるだろう。
それが「大体の人」と曖昧なのは、さすがに全員とはいかないからだ。
「そんなのに協力したら、共犯になるってことだよね?」
「うんうん。それっていけないことなんだよ」
「昔苦しめられたのは分かったけどさ、それで仕返しなんかしたら、その両親たちと一緒になるだろ? そんなことも分かんねぇの」
「てゆーかそもそも、その過去っていうのはほんとなわけ? ちょっとした喧嘩を盛っただけじゃないの?」
「そーそ。前から、神崎さん、ちょっと嘘くさいと思ってたんだよね。裏があるっていうか」
「うん。ぶりっ子だなって思ってた」
「嘘つきまくってるでしょ? 例えば、優しい人なら誰でも好きになるとか。そんなわけないじゃん。周りにちやほやされてるから調子に乗ってるだけじゃん」
「協力なんかしませーん」
「「「しませーん!!!」」」
「「「しませーん!!!」」」
ぎゃあぎゃあうるさくなる、教室。
最初は数人だった「反対派」がどんどん広がっていく。
私は「違う!」と言いかけて、でもぐっと言葉を飲み込んだ。
今この状態で何か言っても、どうせ誰も聞かないだろう。
言葉を選んで、慎重に告げる。
「確かに、もし、私がみんなの立場だったら、こんなの信じない」
騒がしさは止まらない。
「だけど、お願い。聞いて。さっき話したなかに、嘘が一つ、混ざっていました」
その言葉に、少しだけ静まり返る教室。
——今がチャンス。一気にまくし立てるっ!!
「ごめんね。だけど、信じて。本当のことなの」
胸に、色々な感情がこみ上げてきて。
そのまま続けた。
「復讐なんて、絶対にやっちゃいけないことだって分かってる。だけど、そうしなきゃ、私の友達が救われないの」
村の中では、すべての人間が頭おかしい。
私の両親だけではなく、毒親は数えきれないほど存在する。
それを、助けてあげたかった。
——だって昔、そのせいで、大切な人を失ったから——。
固まった私を心配そうに見ているみんな。
誰かが、言った。
「……私は、協力しないからね」
反対派のリーダー、酒井さんだった。
「……だけど、応援くらいならしたげる」
ばつが悪そうにそう言って、教室を出て行く酒井さん。
それにつられたように、同じような発言をして、反対派が出て行った。
先生までもが、俯き、「協力……はできないけど、応援、するわ」と言い始めた。
「本当……ですか⁉」
信じられない出来事に驚く。
「ありがとうーっ!!!」
そうやって大きな声で叫んで。
私は言った。
「みんなも、クローバーの一員だよっ!!!」
遅くなってすみません。
あと、短いかも…。
ごめんなさい。




