「願い事能力」ってチートじゃないですか?
そのあとユウが話してくれたことは、もはや、私にとって衝撃のものばかりだった。
全部話すと長くなるので、少し要約する。
・「人間操作能力」を身に着けている人間は、もう一つの能力、「願い事能力」を身に着けている。
・だが、どちらも二つ使うのは不可能で、どちらか選択することができる。
・つまり、「人間操作能力」を失う代わりに、「願い事能力」が使えるようになる。
・「願い事能力」は、一度だけ、何でも一つ願いを叶えることができる。
・だが、一度しか使えないため、その一度を使ってしまえば、「一般人」となり、どちらの能力も失う。
・「人間操作能力」を捨てて「願い事能力」を使うには、いま「人間操作能力」を使っている者が皆「能力を使えない状態」になればよい。
・「使えない状態」といっても、眠っている間などは含めない。「意識を失っているなど能力を発動できない状態×能力者数」という奇跡の状態ができたときに、心の底から願い事を唱えればその時点で能力は発動、一般人に戻ることができる。
・能力を引き換えると同時にその能力を使ってしまうわけだ。
という感じだ。
話し終えたユウは、少し寂し気に目を細めた。
「あなたたちには、悪いことをしたわね。でも、仕方がなかったの。それで、あなたがショックを受けている間にちょっと病院に送らせる予定だった」
「おい、俺は?」
「あなたは、説明すれば聞いてくれそうな気がしたから。……そこの神崎リオは、キレるでしょう? そんなの身勝手だとかなんとか」
言い返したいけど、その通りなので何も言わない。
「でも……っ、あと何人か能力者はいるでしょう?」
「この私が、そいつらを忘れていると思う? とっくに死んでる」
「殺した」じゃなく、「死んでる」。
改めて、鳥肌が立つ。
「……ユウは、本当に能力を使いたいの?」
「え?」
「能力を、引き換えてまで、叶えたい願いがあるの?」
そう問いかけながら。
私も迷っていた。
能力を引き換えて、あいつら全員殺めるか。
今の能力で苦しめるか。
だから、ユウに聞きたかった。
どんないいことがあって、どんな悪いことがあって、ユウはどんな思いでその選択をしようと思ったのか。
答えてくれるはずはないけど、でも、純粋に知りたかった。
ユウは下を向いて、呟いた。
「……私のこと、話してなかったか」
「ああ」
柳くんが頷く。
ユウは唇を噛み締めて言った。
「……私、施設で育ったの」
彼女が語り出した自分の過去を、私と柳くんは、静かに聞いた。
少し時間が遅くなりました。
だけど毎日投稿を目標にしているので、投稿できてうれしいです。




