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8話 やっと森を抜けました!


さて、では旅の再開といこうではないですか!


さぁ!いざゆかん!世界…いえ、異世界一周の旅へ!

この先には何が待ち受けているのか?

どんな場所でどんな人が暮らしているのか?

ドキドキ、ワクワクが止まりませんね!


旅の相棒ルツと共にレッツゴー!オー!!





…と勢い勇んで森を突き進むこと早1週間。

未だに森を抜けられる気配が全くありません。


「…いつになったらこの森抜けられるのです?」


『だから言ったろ?迷いの森だって。そもそもここ広すぎるんだよ…せめて見晴らしのいい所に出られればなぁ』


という会話も何度目でしょうね。

私はよっぽどこの森の魔力に適正があったのか知りませんが、森の動植物を頂いても体に全くと言っていいほど変化はありませんでした。と言うよりも、不思議なことに空腹を感じないので食べる必要も無いのですが…生き物として食べる事はとても大切なので食料が見つかる限りはなるべく食べることにしています。


ルツによると私の場合、空気中に漂う魔力がそのまま栄養源となって取り込まれているため空腹を感じることがないそうなのです。

ルツも同じで、魔獣は元々空気中の微量な魔力を取り込んでいる為基本的には食事を必要としないそうです。しかし、それでも人を襲い喰らうものもいるようですが…。

そして魔物は一部の人間至上主義者がそう呼んでいるだけで、要は亜人なのだそうです。彼らは普通の生き物同様、食料を必要とするようです。と言うよりも、この世界には亜人の国が多く存在するようです。是非とも伺ってみたいものです!!

ところで…現在進行形で魔力を栄養源に食料を必要としていない私の体は人よりも魔獣寄り、ということなのでしょうか…?

自分の体が今どのようなことになっているのかとても気になってはいますが…まぁ今考えたところで答えは出ないのでとりあえず放っておきましょう。

それよりも、そろそろこの森からおさらばしたいものです…。


あ、決して私が方向音痴とかそんなんではありませんよ?そこは全力で否定させていただきますからね!違うったら違うのです!


それからさらに5日が過ぎたある日のこと。


『なぁ、あれ…』


「なんです?…あ!」


その時前方に光が見えました。

常に薄暗く薄ら霧がかったこの森に、ですよ!

これはもしかして…!逸る気持ちを抑えることなく走り出した私たちの目の前に現れたのは…なんと、見渡す限りの草!

いえ、正しくは草原でした。上を見上げれば木々に覆われて見ることの出来なかった、雲ひとつない爽やかな青空が広がっています。


「これって…」


『まさか本当にこの森を生きて抜けられるなんて…』


そうなのです!私達やっと森を抜けたのです!

やはり古来から伝わるあの技法は役に立ちましたね!

…そう、その名も棒・倒・し!

いやー、あれに従って来たかいがありました!


「さすがですね…やはり迷った時は棒倒に限りますね!」


『それは、なんか違うと思う…』


「事実森を抜けられたではありませんか!」


『…あれでなんで抜けられたのか俺は心底不思議だ』


「まぁまぁいいじゃないですか!さあ、改めて出発!」


『…』


森を抜けたら草原、右を見ても左を見ても草、草、草。

森から出られたのはいいのですが…いい加減、緑以外のものが見たいですねぇ。








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