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1話 旅に出ました。ここ?森です


ピィ…ピチチ…


爽やかな朝です。

何処かで小鳥が囀り、朝日に反射した朝露はキラキラと輝き鬱蒼と茂る森の中を美しく彩っています。


あの後、早速空港に向かった私は適当に空いている便に飛び乗り何故か今は森の中をさ迷っていました。


…ふむ、一体ここは何処なのでしょう?

それよりも、私はなぜ森にいるのでしょうか?

確か、空港に着いてすぐ現地の方にオススメの観光スポットや美味しい食事処など聞き、フラフラと観光しながら宿泊できるところを探していた筈、なのですが…。


気づいたら森の中、なんて不思議なこともあるものですねぇ。まぁ、いいでしょう。このまま森の中を散策していればそのうちどこかに出るでしょう。


改めて、レッツゴー!


あ!あんな所に綺麗な花が咲いています!

おや、なんのキノコでしょう。食べられますかねぇ?

あ、ダメです。毒キノコでした。

あんな所に大きな鳥が。綺麗な羽ですねぇ。

あれ、なんの鳥でしょう?


森の中を楽しんでいる時、ふと思い出したことがあります。


…そういえば、双子の兄達によく言われましたねぇ。

「お前は重度の方向音痴なんだって自覚を持ちなさい

本当に、おねがいだから!!そもそも一人で行動しない事!どこか行く時は必ず連絡すること!!」


なんて、本当にもうっ失礼しちゃいますよね!

私は方向音痴ではありません!

ましてや私はもう立派に成人した大人です!

確かに昔から目指している場所とは違うところに行っていた、なんて事もまぁ、なくはなかったですがそれはそれで楽しかったですし。けして迷子ではありません。


…まぁ、現在進行形で迷子なわけですが。たまたまです。

しかし、兄達には何度否定しても残念な子を見る目で深いため息を吐かれるだけでしたが…。酷い方達です。


実はこの旅、兄達には内緒で出てきたのです。

過保護な兄達の事です。絶対に止められますからね!

両親や妹は私に関心がありませんし、そもそも私がいない事にすら気付いてないでしょう。気づいたとしても、あの人達のことです。寧ろ喜ぶのではないでしょうかね。

ですのでとても楽に旅に出ることが出来ました!


ビバ放任!自由って素晴らしい!

あ、別に兄達のことが嫌いな訳ではありませんよ?

寧ろ大好きです。私の唯一の家族ですからね。

ただ、異常な位に過保護なのですよ。

それはもう…息苦しい程に。一種の愛情だということはわかっていますし、ここまで育ててくれたのも兄達です。

感謝こそすれ嫌うことはありません。

…少し、いえ大分?鬱陶しくはありますが。


ですがあれは誰でも鬱陶しいと思うはずですよ。

…すこーし異性と会話したくらいで、あれは誰だ。どういう関係だ。まさか好きなのか?付き合ってるのか?と、しつこく問いただしてくるわ、相手の素性を調べあげ私に近づかないように牽制するわって…なんなんでしょう。過保護すぎません?

学校への送迎は毎日でしたし、休み時間の度に連絡してきますし、無視すれば何かあったのでは?!と学校に乗り込んできますし…私の中学高校時代はそんな感じでしたね。お陰で友人もできずボッチです。

大学では少し自由にはさせてもらっていましたが結局中学高校時代の影響で友人も恋人も作ることは出来ませんでしたね。


まぁ、別にいいですけど!気にしてませんけど!!

学校帰りに友人とカフェ行ったり、バイトしたり、恋人とイチャイチャしたりしてみたいなとか思ってませんでしたよ!!


…というか、私よくあれでグレなかったものですよね。

まぁ、そこら辺の匙加減は上手い人達でしたし。なんだかんだ彼らのことは好きなので仕方ないのです…。


えぇ、ですから私が彼らに黙って旅に出ることも仕方の無いことなのです!…あとが怖いですが、ね(遠い目)


それに、未だに彼らからの連絡が無いというのが…なんとも不気味で、とっても恐ろしいです。いつもならば速攻連絡が来ると言うのに…ということは十中八九どこかにGPSやら盗聴器やら仕込んであるのでしょう。あの兄達です。絶対やってます。

もしかしたら先回りして待っているかもしれません…今までも何度かありましたしね。


それを考えると少し憂鬱ですね…

いえ、今はそんなこと考えてもそれこそ仕方ありませんよね!

せっかく邪魔がいないのです。旅を楽しみましょう!


とりあえずはこの森を楽しみましょうか。

だって、私、未だに森の中ですからね!









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