029_レジェンドレアガチャ
二人の天職が転職したことは理解できた。
しかも転職後の天職が勇者と聖騎士なのも理解できた。
「分からないから、保留だね」
「左様ですな」
「保留するのです」
理解することと、理由が明確になることは違う。
三人は転職を受け入れることにして、その理由は棚上げするのであった。
「それじゃ、今度は僕だね」
「とうとうレジェンドレアを回すのですね(ゴクリ)」
「師匠がまた一つ神への階段を上るのです(ゴクリ)」
何かシャナクから不穏な言葉が聞こえた気がするが、今はレジェンドレアの十一連ガチャを回そう。
ラッキーが現れていつものようにお尻フリフリの踊りを踊る。
過去にないほどの派手な演出があって、ポトリ、ポトリと紫色のカプセルが落ちてくる。
【さあ、レジェンドレアだよ! どんな景品が出てくるか、ラッキーもドキドキだよ~♪】
ラックもドキドキである。
十一個の紫色のカプセルの一つをタッチする。
【おめでとう! スキルレベルアップ薬だよ! スキルレベルの上限値を五段階増やしてくれるんだ】
ラックは目を見開いた。
スキルのレベルは個人差があるが、最大は十だと言われている。
今回、ゴルドとシャナクは天職が変わったことで昇華したスキルがあるが、こういう例外を除けばスキルのレベルは最大で十でしかない。
しかし、このスキルレベルアップ薬を使えば、最大で十五までスキルレベルを上げることができるということなのだ。
ゴルドに使った若返りの秘薬といい、今回のスキルレベルアップ薬といい、レジェンドレアは素晴らしい景品が出る。
スキルレベルアップ薬を保留カゴにいれて、期待感を持って二つ目のカプセルにタッチする。
【おめでとう! エリクサーだよ! エリクサーは死者さえも蘇らせる秘薬なんだ】
ラックの呼吸が一瞬止まった。
それほどに衝撃的な景品である。
もし、ラックがエリクサーを持っていることが権力者に知られたら、間違いなく譲ってくれと言ってくるだろう。
「ラック様! 大丈夫ですか!?」
「師匠!?」
「だ、大丈夫だよ……。うん、僕は大丈夫……」
まだ二つ目だというのに、心臓に悪い景品ばかりだ。
ラックはこれも保留カゴに入れて、三つ目のカプセルをタッチする。
【おめでとう! 真の勇者の鎧だよ! 真の勇者の鎧は勇者の中の勇者じゃないと装備できないけど、どんな物理攻撃も、魔法攻撃も、状態異常攻撃も防いでくれるからね】
真の勇者の鎧はシャナクに装備させてみよう。
もしかしたら今のシャナクでは装備できないかもしれないが、それならそれでこの真の勇者の鎧を装備するに相応しい勇者になるようにシャナクなら努力するだろう。
四つ目のカプセルにタッチする。
【おめでとう! レジェンドスキル箱庭だよ! このレジェンドスキル箱庭は異空間に住居を造ることができるよ。箱庭を発動させると箱庭に続く扉が出てきて、箱庭から出る時はスキル所持者がいったことのある場所を任意に選べるよ。それから箱庭の広さはMPの上限値に比例して広くなるからね】
これは有用なスキルが出た。そして、初めて聞くレジェンドスキルというすごそうな名称。
しかも、箱庭に入ってから出れば、自分がいったことのある場所なら好きな場所に出ることができるのだから、移動したい時にも有用なスキルだ。
五つ目のカプセルにタッチする。
【おめでとう! レジェンドスキル召喚術だよ! このレジェンドスキル召喚術は何かを召喚して契約することができるよ。契約数は魔力値千に対して一つだからね】
何かを召喚するとあるが、モンスターではないのだろうか?
召喚してからのお楽しみということだろう。
六つ目のカプセルにタッチする。
【おめでとう! 固有スキルガチャポイントアップだよ! この固有スキルガチャポイントアップは、得られるガチャポイントが倍になるからね】
これは嬉しい! ラックのためのスキルであり、ラックの生命線であるガチャを回すためのガチャポイントが倍になるのだから、嬉しいとしか言えない。
七つ目のカプセルにタッチする。
【おめでとう! レジェンドスキルパーフェクトシールドだよ! このレジェンドスキルパーフェクトシールドはどんな攻撃も無効にするけど、発動時間と再使用までの時間は体力の高さによって決まるからね】
ゴルドによさそうなスキルが出た。
どんな攻撃も無効化するのは、聖騎士になったゴルドにとって有用なスキルだ。
八つ目のカプセルにタッチする。
【おめでとう! 天使の実だよ! この天使の実を食べると腕力、体力、魔力、俊敏、器用の各能力値が五千も上がり、HPとMPの値が一万ずつ上がるよ。栽培も可能だからね】
レジェンドレア、半端ない!
ラックは改めてレジェンドガチャのすごさを思い知った。
九つ目のカプセルにタッチする。
【おめでとう! 世界樹の若木だよ! 世界樹の若木を植えて育てると様々な恩恵がもたらされるよ】
どんな恩恵か分からないが、世界樹という伝説上でしか語られないような木なので、すごいことになりそうだ。
とうとう十個目のカプセルにタッチする。
このカプセルを開ければ、残りはあと一つになる。
【おめでとう! 固有スキル森羅万象だよ! 賢者用の固有スキルで、全ての魔法に精通し、魔法威力向上と魔法に対する耐性を得るよ】
今現在、この固有スキル森羅万象を使ってもらう人物はラックの周囲にはいない。
保留カゴにしまい込んだままになるかもしれないスキルだ。
最後のカプセルだ……。
【おめでとう! 固有スキル慈愛の心だよ! 聖者もしくは聖女用の固有スキルで、回復系魔法と支援系魔法の効果がとても高くなるよ】
十一個目も今は使えないものだった。
だけど、今回のレジェンドレアガチャで、とてもいい景品が多く出たのは間違いない。
ラックはゴルドとシャナクに出た景品について語った。
「真の勇者の鎧はシャナクに使ってもらおうと思うけど、勇者の中の勇者じゃないと装備できないから装備できるか分からない。とにかく試してみよう」
「私に装備できるでしょうか?」
「もし、今は装備できなくても、僕はシャナクなら必ず装備できると思うんだ」
「はい!」
シャナクが真の勇者の鎧を装備しようとしたが、残念ながら真の勇者の鎧はシャナクを主とは認めなかった。
「大丈夫だ、シャナクならきっと装備できると僕は信じているよ」
「ありがとうございます。師匠」
今は装備できなくても、必ずや装備してみせるとシャナクは心に誓うのだった。
「次はガチャポイントアップだけど、これは僕がもらうね」
「当然のことですな」
「もちろんです」
これはラックにしか意味のないスキルのため、ガチャポイントアップについて誰も異論はない。
「それでゴルドにはパーフェクトシールドを使ってもらおうと思う」
「それはラック様が」
「ゴルドは聖騎士なんだから、僕を守ってくれるんだろ?」
「もちろんです!」
「だったら、パーフェクトシールドはゴルドだ。いいね」
「……承知しました」
ラックはゴルドなら必ず自分にと言ってくると思っていた。
だから、ゴルドの弱いところを突いてみた。
「レジェンドスキル箱庭とレジェンドスキル召喚術はどうしようか? 共に面白いしとても有用なスキルだと思うんだ」
「ラック様でいいと思います」
「しかし、僕はたくさんスキルを持っているから」
「レジェンドスキル箱庭はMPに依存、レジェンドスキル召喚術は魔力に依存なのですから、我らの中で最もMPと魔力が高いラック様が使うのが一番有用だと思います」
先ほどラックがやったように、今度はゴルドがラックが断れないような理由をつけてきた。
「私も師匠がいいと思います。理由はゴルドさんと同じです」
「う、シャナクまで……。分かった、この二つは僕がもらうよ」
ゴルドとシャナクはにんまりとして、拳を合わせる。
【氏名】 ラック・ドライゼン 【種族】 人族 【性別】 男
【天職】 ガチャマン 【レベル】 24(149475/240000)
【HP】 15544/14044+500+1000 【MP】 15544/14044+500+1000
【腕力】 7021+300 【体力】 7031+300+500 【魔力】 7010+300+500 【俊敏】 7022+300 【器用】 7020+300
【称号】 モンスターデスメイト
【レジェンドスキル】 箱庭 召喚術
【固有スキル】 ガチャ ガチャ変換 剣聖5(3000/5000) 支援3(100/300) ガチャポイントアップ 【ガチャポイント】 321200
【スキル】 物理攻撃耐性1(1/100) 真贋の目5(555/5000) 異空間庫 結界魔法5(200/5000) 超越強化5(300/5000) 氷魔法5(100/5000) 状態異常無効 パーフェクトフェイク 神速5(3000/5000) パーティー共有 神聖魔法5 鍛冶5
装備品: 聖鎧ヴァルギニア 聖剣ソラスティーバ 勇者の指輪 聖騎士の指輪 賢者の指輪 聖者の指輪 名工の指輪 生命の指輪 サラウンディングマップ
【氏名】 ゴルド・シバーズ 【種族】 イヌ獣人 【性別】 男
【天職】 守護の聖騎士 【レベル】 35(226788/350000)
【HP】 7000/7000 【MP】 5000/5000
【腕力】 4000 【体力】 4500+100 【魔力】 4500 【俊敏】 4000 【器用】 3900
【称号】 ラックの騎士 ドラゴンスレイヤー 守護の聖騎士
【レジェンドスキル】 パーフェクトシールド
【固有スキル】 守護者 聖剣盾1(0/100) 聖剣盾技1(0/100)
【スキル】 気配感知5(MAX) 直感5(MAX) HP回復増5(MAX) 熱耐性5(400/5000)
装備品:守護者の鎧 守護者の盾 聖剣アスカロン 持久の腕輪
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