表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/45

022_シャナク2

 


 最初見た時は薄汚れていて女の子というのは分かったが、顔がかなり汚れていたので容姿は分かりづらかった。

 顔を洗い体の汚れを落としたシャナクは、十二歳の可愛らしい少女だったのにラックは驚いた。

 こんな可愛い子がモンスターと戦うための力を求めている。

 この世界は世知辛いと実感した。

 だから、自分の手の届く範囲だけでも、誰かを幸せにしたいとラックは思うのだった。


「シャナクは冒険者登録しているの?」


 冒険者登録は十歳以上なら誰でもできる。


「はい。まだ鉄ランクですが、冒険者登録はしています」

「鉄ランクなら、僕と一緒だよ」


 冒険者ギルドベルゴイーユ支部の支部長であるボノジョリドが、ラックのランクを金に引き上げると申し入れてくれたが、ラックは断っている。

 ラックは縁故でランクを上げたくなかったのだが、ボノジョリドはラックの戦闘力を考えて本当はアダマンタイトまで上げたかったのだ。

 だが、支部長の権限では金ランクまでしか上げられないことから、ラックに金ランクを提示したにすぎない。


「え、師匠が鉄ランクなんですか!?」


 シャナクはとても驚いた表情をした。


「そうだよ。冒険者ギルドに登録してまだ一カ月も経ってないからね」

「あ、登録したばかりなんですね。そうですよね、師匠ならミスリルやアダマンタイトでもおかしくないですもんね!」

「僕はそんなに立派なものじゃないよ。でも、ゴルドはミスリルランクだよ」

「うわー、ゴルドさんは、ミスリルランクなんですか!? すごいですー」

「ラック様のような鉄ランクの冒険者もいるのだから、冒険者ランクで本当の強さは測れない。シャナクはそのことをよく覚えておくことだ」

「はい!」


 その翌日からシャナクはゴルドに剣を学び始めた。

 ラックでは剣術を教えることはできないし、ゴルドは騎士時代に部下を鍛えていた経験があるのでシャナクのことはゴルドに頼むことにした。

 ゴルドもまんざらではなく、シャナクの面倒をよくみている。


 とりあえず、駅馬車に乗って港町へ向かうことにしたが、その前にラックはガチャを回すことにした。

 本当はレジェンドレアの十一連ガチャが回せるまで待つつもりだったが、シャナクに能力を上げる種を食べさせたいと思って、ウルトラレアの十一連ガチャを回すことにしたのだ。


 残念ながら今回はレジェンドレアのカプセルは出てこなかった。

 それでもウルトラレアのカプセルが十一個もあるのだから、期待は持てる。


 剛腕の種が十個、持久の種が十個、魔導の種が十個、俊足の種が十個、匠の種が十個、生命の種が十個、魔法の種が十個。

 とりあえずは、ほしかった七種類の種全部を手に入った。

 残りは四つ、どんな景品が出てくるのか楽しみだ。


【おめでとう。勇気の剣だよ。勇気がある人が使うと成長していく剣なんだ】


 成長する剣とか、ウルトラレアは本当に半端ないと思いながら、次の景品にタッチする。


【おめでとう。堅牢なる鎧だよ。誰かを守りたいと思うほど防御力が上がるんだ】


 これもいいものだとラックは口角を上げる。


【おめでとう。堅牢なる盾だよ。誰かを守りたいと思うほど防御力が上がるんだ】


 二つ目の堅牢シリーズだ。

 堅牢なる鎧と堅牢なる盾は、ゴルドに使ってもらおうとラックは思った。


【おめでとう。スキルパーティー共有だよ。パーティーメンバーを設定できて、パーティーメンバーが得た経験値が均等に割り振られ、ガチャポイントはこのスキルを持った人物に集中するよ】


 これは嬉しい。特にパーティーメンバーの得たガチャポイントがこのスキルを持った人物に集中するのは、まさにラックのためにあるようなスキルだ。


「種はゴルドとシャナクに五個ずつ食べてもらうね」

「それはいけません。ラック様がお食べください」

「でも、今の僕はありえないほど能力が上がっているから」

「今はよくても、もしかしたら今のラック様よりも能力が高いモンスターがいるかもしれません」

「えーっと……。だったら、皆で均等に分けようか」

「……分かりました。それでしたら、ラック様が四個、某とシャナクが三個でお願いします」

「……分かった。それでいいよ」


 これ以上何かを言ってもゴルドは退かないだろうと思ったラックは、ゴルドの案を採用した。


「それから勇気の剣はシャナク、堅牢なる鎧と堅牢なる盾はゴルドに使ってもらおうと思う。いいね」

「承知しました。それでは、今、某が使っている守りの革鎧と守りの盾、それと腕力の指輪はシャナクに使ってもらいましょう」


 自分のお下がりなのでシャナクが嫌がらなければいいと思いながら、ゴルドは提案する。

 当のシャナクはまったく気にすることなく、守りの革鎧と守りの盾、それと腕力の指輪を受け取った。

 それどころか、自分のために素晴らしい武器や防具を与えてくれたと喜んでいる。


「師匠、それにゴルドさん。ありがとうございます! 師匠とゴルドさんの期待に応えられるように努力します!」


 シャナクは可愛らしい笑顔を二人に向けた。

 努力はシャナクのスキルにもあるので、彼女が努力家なのだということは二人にも分かる。

 だが、努力と無謀は違うのだと、しっかり教え込まなければいけない。二人はそう思うのだった。



【氏名】 ラック・ドライゼン 【種族】 人族 【性別】 男

【天職】 ガチャマン 【レベル】 22(139444/200000)

【HP】 15542/14042+500+1000 【MP】 15542/14042+500+1000

【腕力】 7021+300 【体力】 7031+300+500 【魔力】 7010+300+500 【俊敏】 7022+300 【器用】 7020+300

【称号】 スライムデスメイト

【固有スキル】 ガチャ ガチャ変換 剣聖3(2500/3000) 【ガチャポイント】 17184

【スキル】 物理攻撃耐性1(1/100) 真贋の目2(100/2000) 異空間庫 結界魔法1(0/100) 超越強化1(0/100) 氷魔法1(0/100) 状態異常無効 パーフェクトフェイク 神速1(0/100) パーティー共有 神聖魔法5 鍛冶5 

 装備品: 聖鎧ヴァルギニア 聖剣ソラスティーバ 勇者の指輪 聖騎士の指輪 賢者の指輪 聖者の指輪 名工の指輪 生命の指輪



【氏名】 ゴルド・シバーズ 【種族】 イヌ獣人 【性別】 男

【天職】 守護剣士 【レベル】 35(10788/350000)

【HP】 6000/6000 【MP】 4500/4500

【腕力】 3000 【体力】 3000 【魔力】 2500 【俊敏】 3000 【器用】 2900

【称号】 騎士

【スキル】 片手剣10(3156/100000) 片手盾10(1108/100000) 片手剣技5(MAX) 守護7(965/70000) 体術8(311/80000) 気配感知5(MAX) 直感5(MAX) HP回復増5(MAX)

 装備品:堅牢なる鎧 剣王の剣 堅牢なる盾



【氏名】 シャナク・ルタシッダー 【種族】 ハーフ(エルフ族・人族) 【性別】 女

【天職】 村人 【レベル】 2(188/200)

【HP】 3015/3015 【MP】 3015/3015

【腕力】 1509+30 【体力】 1509 【魔力】 1509 【俊敏】 1509 【器用】 1509

【スキル】 努力3(130/300)

 装備品:守りの革鎧 勇気の剣 守りの盾 腕力の指輪



 シャナクの各能力だけを見れば、ミスリルランクの冒険者よりも圧倒的に高い。

 ただし、スキルがないため剣術などの戦うためのスキルを覚えたいところだ。

 ガチャでもスキルは出るが、都合よく出るわけもなくしばらくはこの状態で努力することになる。


 

面白かったら評価してやってください。

☆☆☆☆☆ ⇒ ★★★★★


誤字脱字は誤字報告してくださると、助かります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ