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ひとりぼっちの百物語  作者: 夏野篠虫
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ラジカセの文句

 僕は骨董やアンティークや昔のおもちゃなどなど、とにかく古い物を集めるのが趣味なんです。毎月何個も買ってくる生活を何十年も続けているもんだから、家の中は整理しきれない古物が積み重なって放置されているんです。

 いや一応ジャンル事に分けてはいるんですが、何分、量が量なので……独り身なので誰にも迷惑をかけていないのが幸いですよ。


 うちにはそれらの部屋が5つあって。「骨董」「アンティーク家具」「レトロ家電」「懐かし玩具」「古書」に分かれてます。どれも前の持ち主がいるわけで、直接個人から譲ってもらったものもあれば、多くは骨董店かリサイクルショップで買ったものですね。


 そんな物を長年集め続けていればおかしな事不思議な事の1つや2つや3つくらいあるもんなんですよ。



――ここ最近の話だと、そうですねぇ。

 「レトロ家電」の部屋は僕の寝室と隣り合わせなんですけど、夜中に物音が良くするんです。それも結構な音量で、震度4くらいの地震があっても熟睡してる僕が飛び起きるくらいの音が壁越しに聞こえるんです。最初はなにか分かりませんでしたがよーく耳を澄ますと人の声でした。

 さすがに怖くて、強盗でも入られたかとしばらく布団にくるまって静かにしていましたが、声はすぐに聞こえなくなりました。


 1時間ほど待ってから寝室と廊下の電気を点けて「レトロ家電」の部屋まで確認に行きました。部屋の照明を点けるといつもと何ら変わりありませんでした。

 でも平積みになった大量の家電の1番手前に置かれたラジカセからザーザーとノイズが聞こえていました。ひとりでに電源が入っていたんです。当然中に電池はいれてません。

 強盗とは違う恐怖を感じましたが、こういったことは過去にも何度がありました。古い家電に家中の現役の家電――たとえばテレビやエアコン――のリモコンの電波などが干渉して勝手に動いたり音を出したりすることがあるらしいんです。


 だから今回もそういう現象だろうと深呼吸して、ラジカセの電源を切りました。

 そしたら、


「何消してんだよ」


と強い口調で、確実に電源を切ったラジカセのスピーカーから誰かに言われました。

 もう僕は心臓を撃ち抜かれたんじゃってくらい驚いて、ラジカセを放り投げて寝室の布団に走って逃げました。





 いやーあれは本当に怖かったですね。



……え? その時のラジカセですか?


 ちゃんと今でも家にありますよ、そこそこの値段で買いましたし。



 まぁそれ以上に捨てたり売ったりしたら「お前を殺す」とか言われそうで、手放すに手放せませんよ……






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