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ひとりぼっちの百物語  作者: 夏野篠虫
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迷惑

 昔お風呂で、1人で髪を洗っていた時のこと。


 子供だったから泡立ったシャンプーが垂れて目に入るのが嫌で、ぎゅっと目を瞑っていました。


 こういう時に決まって思い出すのが怖い映像や話。

 目を開けた瞬間に幽霊がいる、みたいなホラーの定番が当時は苦手で思い出してしまう度に大急ぎで洗っていました。


 その日も突然恐怖心に駆られて早く洗い終わろうと慌てました。

 しかし「急いで洗い終わって、目を開けた時に本当に幽霊がいたらどうしよう」と考えてしまって手が止まりました。


 怖いな〜って思いながらもどうにか解決策を探し出した。



 苦心の末に私が出した作戦は「声を出す」でした。


 目は閉じたまま、なるべく大声を出せば恐怖も紛れるんじゃないかと考え、早速実践しました。



「あ〜〜! わぁーー! うぉ〜〜〜!!」


 声の音量が上がるにつれて頭を洗う手の動きも自然と激しくなりました。


 声を張っても怖いものは怖かったです。


 それでも負けじと­­私は叫びました。



「あぁぁーーー!!!」


 その時です。一心不乱に叫んでゴシゴシ頭を洗う私の耳元で、



「うるせぇよ」


と、かすれた男の声がしました。



「えっ?」


 突然のことに、手を止めました。


 今この風呂場には私1人しかいないのに……




 数秒後、恐ろしい事実に気づいた私は目を瞑ったままで頭を洗い流し、風呂場のドアを壁に叩きつけて、洗面所に逃げ込みました。



 乱れる呼吸を時間をかけて整え、目を開けましたが、そこにはいつもと変わらぬ洗面所がありました。


 鏡に映る背後の風呂場も何一つ変化ありませんでした。




 あれ以来入浴中に目を閉じることはなくなりましたね。



 あと、大声も出さないようにしてます。




 いったい誰だったんでしょうね。



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