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死んだ生き人形
"持ち主に愛された人形は魂が入る"と言われる。
魂があれば無機から有機に変化する、つまり命を持つようになる。
故に首やガラスの眼球が動いたり、植えられた髪の毛が伸びたりするのだ。
しかし生き人形となったら最後、多くは供養されるべく神社や寺院に送られその生涯を終える。
愛を受けて生を得たのに、生を得たことで捨てられてしまう。
だから彼らは人を憎み恨み嫉む。
気づいているだろうか?
死んだ生き人形達のそれが動き始めていることに。
何が動いてるって?
彼らの魂がだ。
それは幼い子供と似ている。
だから幼児の肉体に入り込める。
そう。
まるで玩具の人形に殺人鬼の魂が乗り移ったあの映画とは反対に。
――もし人に復讐を誓った魂が無垢な幼児に入ったら、どうなると思う?
……だからこそ人形は大事にし続けなければならない。
自分が死ぬまで、相手が死ぬまで、愛を注ぎ続けなければならないのだ。




