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ひとりぼっちの百物語  作者: 夏野篠虫
69/100

気になる

 残業が長引いて終電で帰る日。

 外は寒いし疲れたし眠いしお腹も減ったしで早足になる。


 そのせいか、たまにすれ違ったり追い抜く人達をあまり気にしてなかった。


 私は道の右側を歩いていた。


 まっすぐ私の方に向かって歩いてくる1人の男がいた。

 顔はフードで隠れ、右手はポケット左手にはブルーのバケツが握られていた。

 怪我でもしているのか、左足を引きずって体が横に揺れている。

 男の動きに連動してチャパ…チャパ……という音がバケツからする。



 直感的にヤバいと思って、目を合わせないようにしていた。


 男は私にぶつかるまいと少し私の左側に避けるよう動いた。


 もう5mもない。


 距離が縮まる。

 異臭が前からしてきた。


 チャパンッ、チャパンッ、バケツの中で水音が響く。



 がさりがさり歩く男の目が私を見ているような気がして目線を下に逸らした。


 近づいてくる。


 バケツから音と臭い。



 見ちゃいけない、のに気になってしまう。




――すれ違う瞬間、見てはいけないと思っていたのに、ついにちらりと私の左スレスレを通る男とバケツを見てしまった。


 バケツにはカサブタみたいな色をしたレバーかホルモンの様な半個体の物がいっぱい入っていた。



「……ヨッカゴ」



 耳と心臓が凍りついた。


 男は小声で一言だけ呟いて夜の町に消えていった。




 5分くらいその場から動けなかった。






 4日以内に引越ししないといけなくなった。





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