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ひとりぼっちの百物語  作者: 夏野篠虫
60/100

名所の原因

 幼い頃から霊感が強いという友人が飲みの席で零した話。



「――やけに飛び込みが多い駅とか、橋とか、崖ってあるじゃん? よくそういう場所は『下から霊が誘ってる』なんて言われるけど、そうじゃないとこもあってさ」


「と言うと?」


「こないだ一緒に○○まで旅行行った時さ、あの時は空気読んで言わなかったけど、線路の上を通った時けっこうヤバかったんだよね。『あ、ここめっちゃ飛び降りてるな』って」


「ほぉ。でもなんで飛び降りが多いのがわかるんだ?」


「うーん、口では説明しづらいけど、自殺の名所は空気が黒く粘ついてるっていうか心がグイッと引っ張られる感覚がするんだよね。あと過剰なほどに柵とか金網が付けられてるから」


「なるほど」


「…で、その線路上の橋にさ、実は小さい地蔵が3体、反対側にもう3体が等間隔で立ってたの気づいてた?」


「いいや、全く」


「まぁ、だよね。俺も飛び降り名所なのに気づいてから見つけたんだけど、最初は死んだ人の供養で立てられたのかって思ったんだよ」


「てことは違うの?」


「うん。その地蔵をよーく見ると普通のと違うんだよ。形は同じだけど、顔がぐちゃぐちゃに歪んでるんだよ、福笑いみたいに」


「え」


「これはちょっとなって思って、帰ってから知り合いのその手の人に連絡したら『わかった。確認してくる』って言われて、その結果が今日来たんだ」


「…それで、どうだったの?」


「『危なかったから全部壊してきた』ってメールに書いてあるんだよ。慌てて電話して聞いたらさ、『地蔵を割ったら中から生爪と人毛と喉仏が呪文を書いた紙に包まれて出てきた』って。それで俺もわかったんだよ。あそこで飛び降りが多いのは、あの6体の地蔵が呪いの結界になってたんだ。気の弱い人、負のオーラが強い人は簡単に引き込まれるよ」




 友人は酔っているせいか話の内容の割にずっとニヤニヤ笑っている顔が印象的だった。



 友人とは長い付き合いだが、普段はこういう話を一切しない。たまに、今回みたいにお酒が回ると急に話し出す。




 俺には霊感なんてないから事の真偽はわからない。



 でも後で調べてみたら、対策をしても年10件以上起きていたあの線路上からの飛び降り自殺は、今ではぱったり無くなったようだ。





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