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ひとりぼっちの百物語  作者: 夏野篠虫
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会社への不満

昼間なのに薄暗い倉庫部屋。


窓もない地下の作業は気が滅入る。


たった一人で荷物の整理という肉体労働が終われば、次は一人きりで頭を使う書類仕事。しかも倉庫の一番奥の角にあるパソコンを使って、だ。

そこには味気ない灰色の机と椅子が1つずつ、それに旧式のPC1台だけ。

あと、この21世紀にあって明かりが頭上の裸電球1個という環境。


何度も上司に掛け合ってるのに改善されないままだ。

いつまでこの会社で働けばいいんだろう。


転職も考えているが、俺ももう39歳独身。再就職は厳しい。

自分は社会から必要とされていないのかもしれないな。


――なんて言ってられない。お金は必要不可欠なんだから、俺はこうして今日も熱心に働いている。




書類作成を始めて30分。


画面のブルーライトが目を疲れさせる。視界のピント合わせに苦労することも増えた。

今なんて、ただでさえ乏しい光を左右にユラユラ揺れて遮る影まで見える。そのせいで気が散るし作業もやりにくい。


はぁー、そろそろ眼鏡を作らないといけない、か、も……。




ん。あ、やばい、気づいてしまった。



道理で目をこすっても目薬を指しても影が消えないわけだ。俺の老眼が原因じゃなかった。




天井の裸電球の明かりを一定間隔で直接的遮るものが、俺の頭の後ろで左…右…左…って振り子のごとく揺れているんだ。



理由がわかると視界もよく見えるようになってしまった。


そして影の輪郭が段々はっきりしてくると、俺はそれが人間の両足なんだとすぐに分かった。





翌日、俺は退職届を提出した。






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