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ひとりぼっちの百物語  作者: 夏野篠虫
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懺悔

 僕は今10階建てマンションの3階に住んでいるのですが、道を挟んだ向かい側にも同様のマンションが建っています。そして同じく3階の僕と真向かいの部屋がちょっと不気味なんです。

 なぜなら外の景色でも見せているのか、一つだけの窓にぬいぐるみがいっぱい置かれているからです。ネズミとか兎とかクマなんかの有名なキャラクターらしきものが多いですが、手作り感溢れるものや日本人形のようなものもあります。

 

 僕がこの部屋に引っ越してきてからもう14年経ちますが、当時はもっと少なかったんです。常にカーテンが開いたその窓に3、4個のぬいぐるみが大事そうに置かれていました。年々数も種類もが増えていき、今では部屋の様子がわからないほど窓ガラスの向こうはぬいぐるみ達が積み重なってしまいました。


 街路からも目立つ窓なので、近所ではかなり有名です。ただそれにも関わらず部屋の主を見たことのある人は誰一人いないのです。その部屋と同じマンションの住人はおろか隣に住んでいる人でさえ、20以上前から埋まっているその部屋の住人を目撃したことがないのだとか。


 あの風景を作りだしたのは一体どんな人物なのか?何の目的があってやっているのか?確かなことは何もありません。

 ただ一つ、わかることがあるとするなら、あの部屋の主は全く常人ではないと言うことだけです。


 

 なぜなら、窓を埋め尽くすぬいぐるみ達は全て頭がむしり取られているから。



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