表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/30

第二十七話・いつか

 誰もいなくなりました。あの怪物たちすら過去に去って、私の世界にはいつしかダイしかいなくなっていました。でも、私はそれで満足でした。

 ダイのその息を、髪を、腕を、胸を、背を、腹を、足を、そして視線を感じるたびに、私は充たされていきました。

 ですが、その裏には恐怖がありました。そうした幻想がいつかひび割れ、欠けてしまい、私たちの宿命が私たちを見つけたとき、きっと鏡美が現れます。そのとき、おそらく鏡美は私たちの敵になっているに違いありません。

 逃げるように、隠れるように過ごしていた日々も、きっと鏡美にしてみれば狩りのための準備ようなもので、はじめから全部筒抜けだったでしょう。でも、私は私とダイだけの時間を貪るように生きることを選び、ダイもそれに応えてくれました。


 私は幸せでした。


 そして、しばらくして、その幸せ、ダイとだけの世界が終わりました。

 私の前に『下賎なる者』が再び現れ、私に終幕を告げたのです。


 私はダイを探しました。毎日、毎日、あてもなく、いくつもの街を隅々まで。

 でも、ダイはどこにもいませんでした。


 私の姿と声を持つ『下賎なる者』がすべてを話しました。

 ダイは私が知るずっと前、小さな頃から『下賎なる者』を知っていたのです。そして、その意思を受けて生きてきたのです。

 そして、ダイは、『下賎なる者』の命令により、鏡美のもとへ向かい命を落とした、と。


「やつは我々に弓をひいた。そればかりか、()()()()()を作り、その力を我が物にしようとしておる。生かしておくわけにはいかぬ」

「璃右大ですら敵わぬとなれば仕方なし、他の水間憑きに狩らせるまで」

「やつは行程を整え、えなもどきを大量にうみだしこの世にばら蒔かんとしておる。人が人のまま使えるようにしたえなの力、それは本来選ばれた者のみに許された力の欠片だ。断じて許すわけにはいかぬ」

「おぬしにある場所を教える。そこでおぬしは時が来るのを待て。そして、時が満ちたとき、星を産むがよい。そうしたならば、人々は我々と同じ気をとりもどし、臣となる」


 そのすべての言葉を聞き流して、私は一つの結末のために動くことを決意していました。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ