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和色撫子!  作者: 冬堂六花
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桜花爛漫

初めての投稿です!色々分からないことが多いのでレビューなどからアドバイスをもらえると嬉しいです!

桜花爛漫




ピピピピピッ!

「うるさい。」そう思いながら僕・桜原飛鳥は枕元のどこにでもありそうな安っぽい目覚まし時計に手を伸ばした。


僕は季節の中では春が一番好きだ。暖かいし、世界中の全ての生き物が気の抜けた感じがして、何となく落ち着いた気分になれる。


特に寝ている時に幸福感を得ることができる。身体が、とても軽くなり何も考える必要がなくなった気がするからだ。


だからこそ、この時期の目覚まし時計は、誰かに止められることがなければ永遠に続けてしまいそうな僕の眠りにピリオドを打ってしまい、尚且つ打ってくれる、忌々しくもありがたい存在なのだ。


昔の人の言葉には「春眠暁を覚えず」なんてあったかな。あれは素晴らしいと思うんだ。やっぱり昔の人も春の朝は起きるのが辛かったんだろうな…


なんて、微妙に使えないくらいの長さの鉛筆よりも必要性を感じられないどうでもいい事を考えながら僕は起床した。


受験勉強と、朝の辛い冬を越えて無事第1志望の高校に入学した僕の高校生活も2週間目を迎えていた。学校は家から少し離れた場所にあるのでクラスの知り合いはゼロに等しかったが、2週間目ともなるとさすがにクラスの雰囲気に馴染み、周りの席に友達と呼べる(はずの)存在も生まれてきていた。


朝食も食べ過ぎない程度にたいらげ、僕は登校の仕度を済ませた。

「いってきます。」

両親にも挨拶を告げ、自転車での登校を始めた。

閑静な住宅街を抜けると一つ公園があり、そこを少し進むと駅があるので、そこからは電車通学に切り替わる。正直なところ面倒くさい。しかし、それを我慢してでも行きたかった学校だ、朝の運動と思えばどうってことない。


前述の通り住宅街を抜け公園を前にしていた。僕はいつもここで足を止めてしまう。なぜかって?そこは満開の桜の木が何本もあるからさ。基本的に花に興味がない僕でも足が止まる程なのだから花が好きな人は大喜びなのだろう。


今日も桜を眺めていたら違和感に気付いた。やたらと一本の枝が動いている。風のイタズラとは言い切れない程に。何か変だなと思いその枝を凝視していると常識では考えられない映像が僕の眼に入ってきた。


桜の枝から女の子が出てきて僕の真上に降ってきている。

「ぅゎぁぁぁああああ!」

「きゃあぁぁぁぁぁぁ!」

ゴチン!頭と頭がごっつんこだった。あまり勢いがなかったので痛くはなかったが、この普通では考えられない状況をなんとか理解しようとしている僕の眼にはまたまた素晴らしい映像が映っていた。


少し薄い桃色のパンツだった。もう困惑するしかなかった。木から女の子→ごっつんこ→パンツ なにこの3コンボ。


女の子の方を見てみると、ちょうど目が合い僕の位置がスーパーベストアングルであることに気付き素早く立ち上がった。そして、やたら慌てた様子で言った

「お怪我はありませんか?」

「うん。大丈夫。君は?」

「はい!大丈夫ですっ!それでは私はこれで!」

「うん!…うん?…いやいやそうじゃないでしょ。初対面の人に色々聞くのは失礼だけど、君は何者なの?なんで桜の木から出てきたの?色々説明してもらわないと、よくわからないよ。」


できるだけ落ち着いた感じで話しかけた。


そして、改めて女の子を見た。とても可愛かった。

桃色のショートボブに一部編み込みを加えた髪型で和服を着ていた。コスプレでもしてるのかな?と思っていると、まごついていた女の子が話しかけてきた。


「突然すみません。話せる範囲で説明をしたいのでお名前を教えていただけませんか?」

「うん。桜と原っぱの原に…」

女の子の表情が輝いた。

ちょっと待った。なんでこの娘は名前を聞いてきたんだ?わざわざ今聞く必要はないのでは?


冷静に考えると、今の状況かなりオカシイぞ。…!もしかしたら僕はこのまま怪しい店に連れてかれて、異常な金額の壺でも買わされるんだ。そのために個人情報として名前を聞いたのかもしれない。それなら言わない方が良いに決まってる。


「ごめん!ちょっと電車に間に合わないから説明はいいや!またね!」


捕まらないように物凄い速さで自転車をこいだ。

とりあえずそれしか僕にはできなかった。






ありがとうございました!

これからは登場キャラクターも増えて物語も激化する予定です!不定期更新なのでいつ投稿できるか分かりませんが続編も是非読んでみてくださいm(_ _)m

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