3-決意
文化祭前日、私は決意した。
祐介に私の思いを伝えようと、そしてもう1つのことも伝えなくちゃと。
私は放課後の教室に祐介を呼び出した。美穂には校門でまっててと伝えた。美穂は少し困惑してたけど、わかった先に言ってるねと笑顔で言ってくれた。
「急に話ってなんだよ。」
やばいドキドキする今、私はどんな顔をしてるんだろ。
「あははは、急にごめんね」
「真剣な話なんだろ?」
…あーあやっぱりそうかなぁ
すぅっと息を吸って…
「私はあなたが好き!」
自分でもびっくりするくらい大きな声が出た。それだけ気持ちも大きかった。
「知ってる」
祐介の顔は真剣そのものだった。やっぱり気が付かれてたんだなぁ。
「ごめん…俺は神崎が好きだ」
「知ってる」
そう知ってる。それが私が告白出来なかったもう1つの理由1年と半月ずっと一緒に居た。好きな人の好きな人くらいわかるよ。ごめんね。祐介は私達の関係を壊さないようにしてくれてたんだよなぁ。
あぁ終わっちゃう……まだ泣くな…笑顔で…
「伝えてこい!1番近くで見てた私が保証する!二人は上手くいく!とっとと伝えてこい!私の次は祐介の番だ!」
…言えたよね……笑えてるよね…
「…行ってくる」
少し苦い顔をした後、祐介は笑顔で言った、祐介はもう振り向かなかった。
「……行くなよ…」
呟いた私の声なんてもう…届かないんだ。
ぽんっと頭に手が置かれた。
「井上…?」
「わりぃ聞こえてた。」
私は井上の顔を見た途端に涙が出てきた。
「終わっちゃったぁ私の恋もあいつらとの友情も終わっちゃったよぉ!」
そう終わっちゃったんだ…あいつらは絶対に上手くいくそれは私が1番わかってる。そしたら私が入る隙間なんてもうないんだ…3人で楽しくなんてもうないんだ…
「……しっかりしろ!三嶋 鈴音!なにが終わりだ!お前らの友情はこんなもので終わるのかよ!」
肩を強く掴みながら井上は私を強く叱った。
「でも…私は振られたの!あいつらは付き合って上手くいくの!もう私の居場所なんて無いの!」
「ふざけんな!甘ったれるな!お前が好きになった男は友情をそんなに簡単に切り捨てるやつか?お前が好きになった男が好きになった女はどうだ!?その女の事をお前はどう思ってる⁉︎二人ともお前にとってどんな存在だ!お前はそんな二人とどんな関係でいたいんだよ!二人の何処にいたいんだよ!」
…そんなの決まってるよ
「私は二人の隣に居たい!二人とずっとずっと一緒に居たいよ!」
そう私は祐介が好き…そして美穂も好きだ。三人で一緒に居ることが好きだ。あの二人は付き合っても私と一緒に居てくれると思う笑顔で迎え入れてくれると思う。自分勝手かもしれないけどそういう所が好きなんだ。
「ならそうすればいいじゃないかよ」
井上は笑顔で私に言った。
「うん…」
私は…井上の胸で泣いた……でも少しスッキリして笑顔で泣けた。
文化祭当日
「ねぇねぇ最初はどこ回る?」
美穂が笑顔で私に聞いてきた。
私はニヤニヤしながら答える。
「付き合って初日、はじめての文化祭くらい2人で周りなよぉ〜」
「もうっからかわないでよ!」
そう2人は付き合い始めた。あの後校門で祐介は告白した。
「私は1人で回るからさ!」
「そんなの嫌!3人で回ろううよ!」
「ええーいいのぉ?」
「当たり前だろ?俺達は3人じゃねぇとな」
祐介が笑って言ってくれた。
あーあー最高かよ。
「じゃあこうしろよ前半は3人で回って、後半は2人で回れば?」
井上が割り込んできた?
私達3人はキョトンとした顔で井上を見る。
井上は少し顔を赤らめながら
「後半は三嶋を俺が借りる。」
祐介と美穂がニヤニヤしながら私を見た。
ここに私の新しい居場所が出来るかもしれない。
初めての投稿です。
至らない点が多くあると思いますがなにとぞ温かい目で読んでいただけると幸いです。