第八話 派閥
空は暗く、月の明かりが街を照らす。現時刻は0時12分
その景色をバジリスク城から見下ろす一人の公爵。中央議会の開催は今日である。
バジリスク公爵の表情は落ち着いており緊張感が感じられない。中央議会には貴族派以外も参加する。
共和国派、王国派、これらの派閥が中央議会に参加する行為は貴族派の威信にも関わりうる行為であった。
元来中央議会に参加できる派閥つは一つであり、最大派閥の貴族派は長らく中央議会に参加してきた。
だが長らく続いていると言っても貴族派が有能だからではない。
その経済力、権力といった力が貴族派を支える柱であった。
だが今の時代、民の数も増え武器や思想の発達により権力者達の絶対的な【力】というものが絶対ではなくなった。
下手な政治をすれば、権力という椅子から地に堕ちる事になり、今の時代民の支持率も安定した権力を確立する力である。
貴族派は、この【民】の力を軽視しており他の派閥とはこの【民】の支持が足りない。
中央議会で話す内容も、貴族の力をどの様に維持するかという議題が主だ。というのも貴族はこのバジリスク公国の主な上流階級であり、貴族の経済力はバジリスク公国にとってなくてはならないものであり、その貴族を繁栄させる事が国の使命なのだ。
だがそれは、バジリスク公国の独立前の時代の政策だった。
【バジリスク公爵】彼は独立した当時すぐに中央議会を開催した。だがその時は議会派では無くバジリスク公爵とその配下のみで政策を決めたのだ。
その後バジリスク公爵の行動は、国を揺るがす問題だとして貴族派が、バジリスク公爵に対して中央議会への参加禁止命令を出したが、バジリスク公爵はそれを無視。
貴族派の名誉に傷をつけた。
貴族派は、バジリスク公爵に対して国のトップの座からの即時退場する様命令した。
だが
それは、バジリスク公爵の行為により不可能となった。
神聖ルートヒ帝国の消滅政策、バジリスク公国とフレン王国の同盟、そして周辺国との連合形成。
バジリスク公爵は、単独でこれらを中央議会で決め実質バジリスク公国に貢献した。
貴族派はバジリスク公爵への介入は不可能として時を空ける事にしたが、問題が起きた。バジリスク公爵の貴族派への参加。
これらは、貴族派の内部への干渉であった。バジリスク公爵は貴族派を内部で二つに割った。
バジリスク公爵を支持する、バジリスク派とレクセーヌ公爵を支持する、レクセーヌ派。バジリスク公爵の行動は世界を変えたが、バジリスク公国内でもその力を行使していた。
故にバジリスク公爵が貴族派として中央議会に参加する事は今回が初でありその力を他の派閥に見せる良い機会であった。
それは、皆が思っていた。王国派、貴族派、共和国派全ての派閥がバジリスク公爵という人物の形成する【人格、人柄】と言ったものを確認できると思っていた。
バジリスク公爵もそれが目的なのではと派閥の人間は思っていた。
バジリスク公爵は月が照らす街を見て笑った。
「綺麗な街だ」
バジリスク公爵は今日の中央議会の事を考え寝る事にした。