第三話 思い違い2
キング)こんな錆びれた要塞など一日で落としてやる!
〜24時間経過〜
キング)んほー!落ちないのー!
エントラント城では現在神聖ルートヒ帝国とバジリスク公国軍との戦いの戦場になっていた。
ルートヒ帝国は数と魔法をたくみに駆使しバジリスク公国軍に対抗していた。
だがエントラント城は分厚い城壁、様々な角度から掃射さるる弓によりルートヒ帝国は苦しめられた。
「なぜだ!何故落ちない!」
ルートヒ帝国対バジリスク殲滅部隊隊長、キング・バロンが嘆いた。
「魔道士はあの城壁に穴を開けろ!早く!」
焦りをあらわにするキング。
無理はない。こちらの損害が目に見えて大きいからだ。
「くそ!」
2万人いたルートヒ帝国具は現在9800人まで減らされていた。
バジリスク城太陽の間。
「バジリスク公よ!あなたは腰抜けではないはずだ!ならば今やらなくてはならない事が分かるはずだ!」
.....。
エモット・バジリスクは沈黙を続けていた。
続けるしかなかった。
「我々は貴方の父上に世話になってきた!貴方の父上は敵に背を見せず敵には容赦しないそのような人物だった!貴方は独立する時言ったはずだ!「我が人民を苦しめる楔を断ち切らなければならないと!」
エモットは大人しく話を聞いていた。
そして分かった事があった。あ、こいつらは私の言葉を勘違いしていると。
私が言った楔を断ち切らなければならないとは、単に独立を意味した言葉だ。
だがこいつらは、私の言葉をルートヒ帝国の戦線布告つまりルートヒ帝国への死を意味する言葉と勘違いしたのだろう。
まいった。
なぜか独立する時軍上層部の奴らが歓喜しているのか疑問におもっていたがこれが理由か。
エモットは、この現状を打破する為動いた。
「エス・リメンバ伯爵。私が目標とする者は、まぁ簡単に言えばバジリスク公国の平和だ。それは皆も同じだろう。」
エモットは反応を伺った。
悪くはなかった。
「平和とはどの様な状態を言う?争いがない?血が流れない?皆が笑って暮らせる状態を平和と言うのか?」
その場の雰囲気が一転した。
「私はバジリスク公国に仇なす者が存在しない事を平和と言う。この意味がわかるな?」
その場に居た全ての者が息をのんだ。
バジリスク公の言った事の意味を察したのだ。
ふぅ。こんなものか。
バジリスク公国に仇なす者が存在しない。つまりは、世界にバジリスク公国は害はない。平和の象徴と認知される事。つまり平和だ。
分かってくれたかな?
「素晴らしい....」
エスがはいた言葉の後に皆立ち、バジリスク公に拍手を送った。
涙まで流している者さえ居た。
「分かってくれたか。」
エモットは笑い、ありがとうと一言添えた。
「それでは私は、用があるので帰らせて貰うよ。皆今日は、集まって貰い感謝する!ありがとう!」
エモットは、太陽の間を後にした。
「....凄いな。バジリスク公は。」
「あぁ。我々の考えのさらに上をいっていた。」
「流石あの方の息子だな。」
エモット・バジリスクに対し皆尊敬を露わにした。
バジリスク公こそが真の愛国者なのだと。
「バジリスク公国に仇なす者がいない事を平和か....」
エスが上を向き小さな声で話した。
「つまりバジリスク公国以外の国を屈服させ、文字どうり仇なす者を排除するんですね。」
エスは涙を、ながした。
「敵はルートヒ帝国だけでは無く、世界だと。」
「素晴らしい」