第九話 始まり
バジリスク中央議会に集まる貴族達、バジリスク中央議会は政治の中心地という事もあり、その造形は美しくそれを守る護衛も確認できるだけで100名はいる。
その中央議会を守る部隊の名は、国立緊急徴集兵。ローム男爵が指揮する部隊であった。
現在バジリスク中央議会の周りには、一般市民が集まってきており、様々な地方から来る貴族を見たいと思い集まってきている様だ。
「ねぇねぇ!あの方!メルフィン・バルザール様じゃない!」
「キャー!!キャー!キャー!!キャーーメルフィン様ー!!!」
メルフィンは、馬車から降りその快活たる中央議会前を見て驚く。
メルフィンは28歳でありながらその政治手腕はバジリスク公国内で1位2位をあらそう。
その容姿は、渋い顔つきでありながらたまに魅せる笑顔が民衆の人気の一つである
身長は180cmあり髪色は金でありだれが歩いているか直ぐにわかる。
メルフィンの目が民衆に向けられる。その目は鋭い眼光であり目があったら硬直する人物もいる。
「メルフィ〜ン何睨んでんだよ」
メルフィンの友人カイスがメルフィンをおちょくっていた。
「睨んでいないさ、ただ見ていただけだ。」
メルフィンの目つきは元からこうであり、カイスは良く目の事でからかっていた。
「凄いな...人の集まり様が。」
メルフィンはこれほどの人が集まるとは思っていなかった。中央議会が開催される時は大体人が集まらないものだからだ。
「まるでパレードだ。もっと良い馬車で来ればよかったよ」
これほどの民が集まっているんだ。服装ももう少し派手なやつにすればよかったな。これでは私の存在を民に認知してもらうには難しいな。
メルフィンは、渋い顔をして中央議会の方へ歩きだした。
「おいメルフィン!アレ!」
「ん?」
カイスが指さす先には、貴族派の堂々たるメンツが揃っていた。
その中でも特に重要な人物は、【バルカル・テートリバー侯爵】【ソルマン・コーカ侯爵】【ショルカ・リバルウス騎士】【ハクセンマン・トール伯爵】【バジー・エスコル伯爵】
これらの人物は、貴族派を支える五大貴族の面々だ。五大貴族は貴族派が自称しているものでありその中にバジリスク公爵がいないのはバジリスク公爵に対しての偏見だろう。
「荒れるな今日は」
カイスが呟いた言葉にメルフィンは、同意した。
メルフィン達はバジリスク中央議会に入り議会がある部屋まで少し緊張した面持ちで向かった。
「あ...ねぇねぇあの方もしかして!」
民が目線を合わせる先にいたのは、黒と白で色とだれた服装。その美しさは王族といってもおかしくなかった。
身体のラインが分かる服装は、女性達に火をつけた。
「キャー!!バジリスク様ぁぁ!!」
その風格は他を一掃していた。青い瞳白い肌整った顔に落ち着いた表情。
国を救った英雄の一人であるかれは、男女とはず人気がありこの場で喝采が起こった。
「バジリスク様ぁぁ!!こっち向いてぇぇ!!」
「バジリスク様ぁ!!」
バジリスク公爵は、軽く手を振り中央議会の会場へと入っていった。