学校へ逝こう!?登校までのお話
久しぶりの投稿です。
なんだか話が一向に進みません。^^;
書き出すと次から次へと書きたいことが出てきてしまって・・・。
今後もがんばりますので、これからもよろしくお願いします。^^ノ
第14話『学校へ逝こう!?登校までのお話』
朝の事件から約1時間後、屋敷の食堂にて・・・。
なんとか誤解を解いた俺は遅めの朝食をとっていた。
なんとか登校までに誤解を解くことに成功した、その要因は、ひとえに屋敷の人の少なさだといっていいだろう。
屋敷にいる人の絶対数が少ないので何とか朝のうちにすませられたのである。
もしこれが一般の金持ちの屋敷だったらと思うとゾッとする。
使用人たちの誤解を解くだけでもどれだけ時間がかかるか・・・。
「ははは、流石にその話を聞いたときは驚いたぞ」
清が笑いながらそういう。
正直笑い話では済まない気がするが。
「ええ、本当ですよね。
あの玲がまさかそんなことするなんて・・・。」
沙理さんもそう言って優しげな目で玲を見つめる。
そしてその流れで俺の顔も覗き込む。
「えへへ〜、だってね〜、楽しそうだったんだもん。」
玲は悪びれるでもなくそういった。
なんというか、さすが天然&超純粋培養のお嬢様って感じの返答に俺は脱力するのを禁じえなかった。
「あらあら、本当、今までの娘の反応とは思えないわね。」
沙理さんは苦笑気味にそう呟く。
清をみると、どうやら清もそう思っていたらしい。
しきりに頷いているのが見て取れた。
「本当、びっくりしましたよ・・・。
朝起きると横で玲が寝てるんだから・・・。」
俺は朝っぱらから疲労困憊な様子でそう言う。
「ふふふっ、そんなこと言って、役得もあったんじゃないの?」
沙理さんが邪悪な笑みを俺に向けながらそう言った。
「ぶっ!?」
俺は唐突な沙理さんの一言に、危うく噴出しそうになる。
ギリギリのところでなんとかとどまった。
「なっ!?何を言ってるんですか!?」
俺は混乱が冷め切らないまま、そう問いただす。
「ふっふっふ〜、そんな力いっぱい言うところが逆に怪しいわね〜。」
沙理がいいおもちゃを見つけた、というように俺にちょっかいをかける。
俺はその執拗な追及から何とか逃れながら、逃げるように食堂を後にするのだった。
・
・
・
・
・
・
隆が黒崎夫婦にからかわれた、食堂事件(隆命名)からしばらく後。
「ふぅ、ホント、冗談でもああいうことは言わないでほしいよな。
俺としては少し事実だけに返答にこまるったらありゃしない。」
当然俺だって男である、玲ほどの美少女がそばで寝ていてなんとも思わないなんて無理な話だ。
おそらく黒崎夫婦もわかっている、わかっている上でああいった冗談を言うのだろう。
一番厄介なタイプである。
「さて、そろそろ登校時間だな。
さすがに初日から遅れるのだけは避けないと。」
そう言って俺は、玲の部屋へと赴くのだった。
〜玲side〜
コンコンッ
ん?
誰かがドアをノックしてる?
誰だろ、この時間に誰か来ることなんて今までなかったのに。
そう私は思いながらドアに向かって叫ぶ。
「は〜い、今開けま〜す!」
そして私はドアのほうへとパタパタと速足で向かっていく。
カチャリ
ドアの鍵を開け、うち開きのドアを開く。
「おう、そろそろ学校にいくか。
時間的にもころあいかと思ったんだが。」
ドアを開いたそこには、昨日知合った隆が立っていた。
服装はいつも着ている(といっても昨日一日だけだったが)執事服とは違い、高校の制服を身に纏っている。
いつも見慣れているはずのその服装は、しかし隆が着るとどこか違った雰囲気を醸し出していた。
細い線の中に確固たる意思を感じさせるものを持つ、天性の美貌とでも言うのだろうか。
隆は、そんな雰囲気とともにドアの前に立っていた。
「お〜ぃ?
大丈夫か〜?」
隆が私の目の前で手を振る。
だが私は隆の美麗さに見惚れ、それどころではなかった。
そうして、結果的に隆のことを無視する形となってしまっていた。
「む、無視することないだろう。」
すると、隆は何を思ったか、私の髪を撫で始めた。
髪を指で梳いてみたり、優しく輪郭に沿って撫でてみたり、と。
「・・・はっ!?」
フリーズしていた私はその隆の反応に瞬時に後ろへと飛びのいた。
もしこれがアニメなどだったら、『ズザッ!』という効果音が流れたことだろう。
「ななな、何をっ!?」
呂律が回っていないことに気づきながらも、なんとかそう声を絞り出す。
「ああ、ごめん、なんか綺麗だったからつい触ってしまった。
それにしても本当に綺麗な髪だな、触ってみたいという衝動に購えなかったよ。」
隆は気まずそうに頬を掻きながらそういった。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?」
私は嬉しいやら恥ずかしいやらで、またしても機能停止してしまうのだった。
〜玲side end〜
つい玲の髪にを撫でてしまった。
なぜか、触りたいという衝動に購えなかった俺がいる。
こんな感情、今まではじめてである。
「そ、それで隆!
学校だったよね?
すぐ準備終わるから、先に車のほうに行ってて。」
玲はいまだ動揺が収まらないのか、上擦った声でそういった。
正直、俺も今すぐ玲と顔を合わせて普通の反応ができるとは思えない。
ここは玲の言うとおりにしたほうがよさそうだ。
「わかった、先に・・・。
って、車っ!?
まさか自動車通学かっ!?」
俺は承諾の返事をするつもりで、ある事実に気づいた。
か、金持ちの感覚は理解できん・・・。
俺が切実にそう思った瞬間だった。
「・・・ここで待つ。」
結局俺は、玲が出てくるまでの10分間、玲の部屋の前でただただ立ち尽くすのであった。
玲の部屋の前に自分の部屋があるのだから帰ればいいものを、俺はそのときそのことを完全に失念していたのだった。
そして自動車通学である以上、登校中に妙な出会いなどあるはずもなく。
淡々とリムジン(しかも登下校専用車)に乗せられ、学校へと連れて行かれるのだった。
気分はさながらドナドナの子牛の気分である。
・・・尤も、扱いに天と地ほどの差はあったが。
次回は下手をすると来週の土日あたりになるかもしれません。^^;
悪しからず。;;