第2話 新生活
「やばい!遅刻だ!」
そう言いながら元気よく家を飛び出したのは成長し15歳になった俺、飛亀鷹也と頭の上にいるさくら11歳であった。
俺は見事、亀山高校に合格していて今日が高校の入学式だった。
チャリ通の為、前のかごにちょこんと乗っているさくら。
なぜ、亀山高校を選んだのか?それは…それは県内唯一のペット持ち込み可の高校だったからだ。
なんだかんだ言ってギリギリで間に合った俺……やっぱり学校から家が近いっていいよね。
ここから俺の高校生活が始まる!未だに息はぜーはーしてるけどね。
「朝から爆走とか相変わらずおまえは慌ただしいな」
突然後ろから声が聞こえて少し驚く。
「誰だ?突然の新キャラか!?」
「なに言ってるのよ幼馴染の名前も憶えていられないの?亀子よ か・め・こ!」
思いのほか怒っているため急いで謝らねば。
「あーわりーわりー憶えてたわ。冗談だからそんなに怒るなって」
幼馴染の緑亀子、ちょっと男勝りな部分がある。いや、だいぶかもしれない。
まあ本人に言うとそれこそ命の危険を感じなきゃいけなくなるから言わないが……
亀子は俺の家の前に住んでいたが現在は隣の市に住んでいる。
「冗談なんか言ってる暇があるなら早く自転車止めに行きなさいよ。
あたしは先に行ってるからね!」
そう、まだ高校に入っていなかったのである。ここはまだ門の前であってまだ俺の高校生活も始まっていなかったらしい。こんな始まりだと、この先の展開も心配だ……
でも亀子はわかって許してくれたっぽいかな。
とか言ってる間に式場内の席に着いた、体育館の入り口で渡された紙を見てみると亀子と同じクラスらしい。正直知ってる人が同じクラスにいるとわかりホッとした。
辺りを見渡すと犬や猫などの一般的なペットからワニやサイなどのどうやって連れてきたんだよってペットまで沢山居た。もしかしたら金持ちの子供もいるのかもしれない。いや、あのペットのメンツならいるだろ。
普通の入学式が普通に終わった。
だが教室に戻った時のホームルームでは寝てしまい点呼の時も寝てたのでバレて罰として廊下に立たされているさくら……
なぜペットであるさくらが立たされているかって?亀山高校では生徒の失敗の罰はペットが受けることになっている。もちろんペットを連れてきていない生徒もいるのでその場合は本人が立たされる。
初日から罰を受けたやつとして有名になった俺…いきなり心配が当たり不安は大きくなるばかりだ。
そのままホームルームは終わり先生に軽く注意された俺たちはうつむきながら帰った。
そしていつも通り一緒にお風呂に入って一緒に寝た。でも居眠りしたせいか寝付くのに時間がかかった。