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孤独の漢  作者: 中仙堂
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千年の歳月

話しは戻るが


大英帝国は極端な輸入超過の経済病に陥った。英国は産業革命によった資本蓄積や

アメリカの独立を目指す独立戦争を阻止する為の戦費が甚だしく銀の保有が底をつくのを恐れた。

イギリスの常套手段としては植民地支配をしていたインドのアヘンを大量に清国に密輸

出する事で窮地を脱出することにした。

中国では明の時代から、阿片が一般に広がり続け、それが英国の奸策に嵌ったと云う事で有った。

阿片は林則徐の出て来た清になって政府により禁輸となった。

此の様に欧米の列強の魔の手は、アジア、アフリカに着実に浸透して行った。

欽差大臣に成った林則徐では有ったが、清国内に阿片浸透の悪習を是正する気風は中々

強く成らなかった、此の様な危機感の欠如が、眠れる獅子たる所以かも知れない。

中々阿片の夢から醒めはしなかった。

それは、阿片が人間の精神を悉く破壊する事実と、悪徳英国商人の手先と成った、

清国内の阿片売人の組織、また賄賂を代償にそれを寛容した役人のモラルの低さだった

ようである。

役人に関わらず、国民にモラル、民族に対する忠誠心、危機感勇気等、

其れ等が一つでも欠如してしまうと、如何な大清国と云われるものでも壊滅への道を

歩む事に成るのであろう。


バイロンも云って居た

国を建てるには千年の歳月でも足りない。

だが、それを地に倒すのは一瞬で充分である。

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