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似非ボッチの私が逆ハー女の親友になってた  作者: 黛 カンナ
生徒会総選挙。立候補編
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第89話  現状

「ちょっと聞いた!?聞いた!?」「聞いたよ!」「凄いことになってるね!」「胡桃ちゃんと千秋の戦いだってさ!」


「スゲーよな!!」「差別制度の廃止だってよ!」「俺は賛成するな」「俺は反対だ」「えー!?」


学園内はパニックの一言に尽きた。一人は差別制度撤廃への希望に喜ぶもの、もう一人はそれを嫌がるもの。


胡桃の信者が賛同することもあれば、会長を敬愛している者が反対する。


様々な思いが飛び交い……


現在、その噂の二人は断頭台…ではなく、皆がみているステージで言い争っている。


[そもそも!差別制度があること自体問題なのです!人間は常に平等であるべきなのだど私は思ってます!]


[『平等とか差別とかそんなのは確実に実在します!努力し、精進し、才能に恵まれた人間だからそのような事が言えるのです!凡人はそれすらも出来ない人が多い!』]


前向きな言葉をいう鳳に対して千秋は後ろ向きな言葉で否定する。そしてそのあと


[『特別校舎は伝統あるものであり、それは守り続けていくべきものである。そして普通校舎はそのままでも秋分に文化的財産がある』]


[虐げられるのが文化的財産ですか?]


[『そこらへんはちゃんと改善されている。』]


[皆さんはどう思うのですか!一般生徒は特別校舎に入れない、そして冷遇される。不平等というものが…]


その後も二人の激論は続いた。鳳は皆の良心や本心にうったいかける方法をしている。


対して千秋は後ろ向きながらも生徒の本音を代弁し、現実的におこりうる悲劇を語っている。


そして時間が過ぎ、ふたりは退場をやむなくされた。






『…疲れた』


「ご苦労さん」


千秋は暖かいコーヒーをのみながら和人にもたれかかった。


『鳳くん、手加減なさすぎ。優しいと思ってたのにな~』


「あいつは芯が固いからなー…味方やったらええやつなんやけど」


敵に回ればこの上なく厄介な人物である。


「ってか…よくあそこまで口が動くな、しかも心にもないことばっかり」


『特別校舎からの支持は勿論、普通校舎からの支持も欲しいからね』


しかし、現状としては鳳くんの方に若干の分がある。


胡桃信者や鳳くんのファンも理由の一つだが、大抵の理由は…


『酔っているんだよ、烏合の衆たちは…』


早い話、差別は駄目といっている自分が格好いいと本気で思っているのだろう。そして鳳くんが当選すれば烏合の奴等はまるで自分が勝ったと思える。


「ようは代理戦争っちゅーことか」


『よくある事だよ…例えば私の友達の知り合いの妹の同級生の話だけど……何もやってないし、何も知らないのに勝手にイジメの主犯格にされてたり。勝手に友達をモデル雑誌に応募して、まるで自分が当選したみたいに言い出して。


その後わた…自分の友達がどんな目にあったかも知らないで能天気に…女子に調子こいてるとかデカ女とか言われたんだぞ…


その他にも身長がデカイというだけで勝手にバスケ選手に選ばれて…負けくればまるで自分が負けたかのように激情し、勝って来れば自分の手柄だとばかりに…』


「もうええ、もう…ええよ。大変やったな千秋」


先輩は優しいこえで、慈しむような表情でもういいと言った。


あるぇ~?可笑しいな、涙が出そうになってきた。うん、アレだ代理戦争で代理にされる人間の気持ちを少しは知ってくれ、本当に頼むから。


『私のことじゃありません。友達の従兄の母親の話です』


「さっきと変わってるで」


でもまぁ現実問題として、胡桃の暴走を止める、鳳くんの真意を探す、会長になる気はないので鳳くんに会長の座を渡す。


ここまでは出来る。なんとかして出来ることは出来るだろう。しかしそれは結果論であり、その過程をどうするかが重大なのだ。


代理戦争で無責任に賛同、反対をする烏合の集や色々な問題は山積みである。


上手くいかなかったら完璧に攻撃の対象だわ…あぁ、この手の攻撃は嫌いなんだよ…過去に色々あって。


『なんとか出来ないかな~?』


「若干鼻声になっとるで」


『気のせいです』


ただちょっと過去のトラウマが再発だけだよハハハ…グスッ…

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