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似非ボッチの私が逆ハー女の親友になってた  作者: 黛 カンナ
生徒会総選挙。立候補編
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第87話 後戻りできない

大きな混乱が会場内を包み込んでいる。


特別校舎からは絶望的なものや、まだ状況を理解してない混乱。


普通校舎からもまだ状況が理解出来てない混乱と、理解した混乱がある。


特別校舎と普通校舎の廃止...それはつまり、この学園の事実上の差別制度を撤廃するということだ...


[皆が平等に何の隔たりもなくしたいんです!]


特別校舎と普通校舎には大きな差別があり、隔たりも存在する。それは長年の問題でもあった。


特別校舎はその名の通り、優遇される。普通校舎は何も優遇されない。


[そもそも、何故差別をされなければならないのでしょうか?]


鳳くんは、皆に呼び掛ける。


言ってることは凄く正しいと思う。差別を撤廃しよう。隔たりを無くそう...言ってることはとても正しく、理想的で応援したくなることだ...


『他人事であったならばな...』


「今おきてるんは、他人事やないで」


分かっているさ。


これが他人事ならば、何処かの国とか別の学園とかだったならば、私は純粋に称賛を称えていたであろう。


しかし、それはあくまでも他人事だったらの話だ。


例えば歴史上の人物で黒人差別の撤廃を表明したケネディ大統領。これだけを見ればさぞかし素晴らしく、名誉あるがそれに携わった人がどれだけ犠牲になり、ただのハッピーエンドではなくむしろ


ある意味バッドエンドだったのを知っている人は少ない。


『これ、まかり通るのですか?』


会場内では、真っ二つに割れている。意外なのは普通校舎にも特別校舎にも賛成派がおり、そして反対派がいる。


まだ状況が分かっていない烏合の衆たちは取り合えず周りに合わせている。


「こいつらが当選すればそうなるやろな」


どこか呆気らかんと言いながらも、そこそこ異例の事態らしく冷や汗をかいていた。


珍しい事だ。状況がこうでないのならば普段の恨みを晴らしたいが、状況が状況だからそれも無理だろう。


『胡桃や鳳くんは一体何を考えているんですか?』


「胡桃は差別制度をなくして一からやり直したい。鳳は…分からへんねん」


冗談じゃない。もし仮に差別制度の撤廃が出来たとして、特別生徒も一般生徒も仲良くいっしょの校舎で仲良く…とかになったら…


そうなったら……


私は瞬時に頭の中で色んな事を組み立て…反射的に動いた。




ダン!!


飛んだ。全ての筋肉が足にあるんじゃないかと思う位に私は思いっきり飛んだ。


上の階から下の階へ飛ぶ。その大きな音に回りは驚いた顔をするが、その時点でもう音のあった場所に私はいない。


大きく跳躍し、落ちた衝撃を利用して前へ跳ぶ。途中で椅子の背もたれの部分に足をつけて思いっきり飛ぶ。


大体会場は100メートル位あったの私は5回位足を使って飛んで、舞台の方へと乱入した。


鳳くんは全てを予想しながらも、少し想定外といった顔をした後、まるでもう役目が終わったとばかりに退場していった。追いかけてやりたいが、ホンワカ様がたたずんでいた。


胡桃はニッコリと優しく、愛くるしく、女神のように、慈母のように、ニコニコと空想上の神様の如くそこにいた。


『胡桃…何いっているか分かっているの?』


私の質問に胡桃は答える。


「分かってるよ~」


『ううん、胡桃は何もかも分かっていないんだよ。全てにおいて胡桃は絵空事なんだよ』


胡桃は全ての理想をもった少女だ。ポワポワフワフワ。それが素の性格で、ちょっとやりすぎる部分はあるけど、ものすごく優しい子なんだ。


「……何がしたいの?[神埼さん]は、何でただの生徒が立候補者に意見するの?」


決して向けられることの無かった棘が私を包む。口を無理やり開かされ、そこに針を入れられているかのような錯覚が出てくる。


ほわほわ少女からの冷たい正論って本当に怖いんだね。でも、それもそうだ。


私は落ちていたマイクを拾い、オンにする。そして大きく口を開けて…


【『私と和人先輩は会長選挙に挑む!!今から立候補者だ!!』】


高らかに宣言した。


もう後戻りは出来ないであろう。




状況を整理すると、千秋を表舞台に出そうとする和人


それを嫌がり、とあるひねくれた事情で裏方や観客席を望む千秋。


そして全てをぶち壊そうとする胡桃です。


次は、会長目線で書こうかな?

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