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似非ボッチの私が逆ハー女の親友になってた  作者: 黛 カンナ
生徒会総選挙。立候補編
93/120

第86話 鳳の演説

特別校舎には色んな建物がある。特別会場もそのうちの一つだ。

ホール会場になっており、大きな映画館みたいだった。


会長という役職な和人先輩のコネで私たちは上の階で一番見晴らしのいい席に座らせてもらっている。この椅子超柔らかい。


時間がある程度たつと、結構な人数がゾロゾロとやってきた。

立候補者の演説は唯一普通校舎の生徒が入れる場合な為に会場内に入っている人数は多く…


『これまた、格差社会だねぇ…』


「嫌味ったらしいやっちゃな」


私の言った言葉に会長が批判的な目をするが、否定はしない。何故ならば本当に格差があるからだ。


特別生徒は当然の如く最前列の備え付けてある椅子に座っている。大して一般生徒は後ろの方であり、椅子がないので座る事を許されていない。


いや、許されてはいるのだが座ると見えないので、必然的に立つこととなってしまう。


[これより、生徒会立候補者の鳳・アレンクシス、支持者の伊集院 胡桃さんの演説が始まります]


けったいなアナウンスが聞こえてきた。


『思ったんだけどさ、なんで鳳くんだけ先に演説を始めるの?』


「前生徒会の人間の権限。もうひとつは他の立候補者が焼け石に水でも、有力候補者の出方を伺いたいから……まぁ、ある意味ではハンデってのもあるな」


はぁ~…色々あるんだね…。


と私が暢気にそう関心していると、鳳くんと胡桃の演説が始まった。


マイクをもち、まずは胡桃がかわいらしいく愛くるしい笑みを浮かべてやってくる。この時点でもう会長は決定したようなものだ。


こんな女神にどうやって太刀打ちできるだろうか…


[私は、鳳君の支持者です!私が今回、鳳くんを支持したのは鳳くんが会長になったときの公約や鳳くんの目標が私の掲げているモットーと同じだからです!]


機械越しではあるが愛くるしくて可愛らしい声、いつもの間延びした喋りではない。


結構普通のペースで喋っているが普段はその喋りではないのが分かる位一生懸命であるのが切実に伝わってきた。


『可愛くて優しい女の子が真剣だと応援したくなるからね』


おそらく素でやっているのだろうが、上手くツボを抑えている。


[私のモットーは『みんな仲良く』です!色んな人が仲良くなって欲しいと、みんなが笑顔でいて欲しいとおもうんです!]


普通の人間が言ったら痛い子なだけか、頭にお花畑があるかのどっちかだが、胡桃が言うとこの世に戦争が本気でなくなるんじゃないかと思えるのが不思議だ。


もう胡桃は天使として戦場におりて、ホンワカ教でも作ればいいんじゃないだろうか。


わ~マジで出来そうで怖い。


[鳳くんの会長になったときの公約はそのモットーと一緒です]


ここで、鳳君が登場し、ニッコリと笑った。見た目麗しい美形の登場に女子達は息をするのも忘れ…


「今、千秋の方向いてへんかったか?」


『怖い事言わないで下さい』


やだな~そんな事あるわけ無いじゃないか。


[どうも、生徒会に立候補した鳳・アレンクシスです。知っている方も多いですが、私は書記をやっていました]


優しい声が響く。


[その一年を経て、私は様々な経験をし……私はこの会長選挙に挑みました。まだ当選するかわかりませんが、私が会長になったときの公約を発表したいと思います]


普通にしたら当選するのは、鳳くんだろう。前生徒会であったことに付け加え、胡桃からの支持もある。


人気が上位にはいっている二人が手を組んだら無敵だ。そうなったら他の立候補者は恐れをなして逃げるか、負ける理由が十分過ぎるから開き直って、名を上げたいだけのカラッポが出てくるかのどっちかだ。


『もう帰る』


私は自分の分をわきまえ、そう言って退散しようとする。会長が何かを言っているが無視だ。


最近、優しくなってきた鳳くんと平和の女神、胡桃ちゃんだ。きっとそこまでヤバイ事にはならないだろう。


自分の立候補騒動については、目立ちたいが為の誤ちだったとか言って、おどければ1、2週間ぐらいで笑い話になるだろう。


もしくは会長の悪ふざけで、後輩の育成のために…とか言えばなんとかなるだろう。こんな感じで私は足を進め、扉に手をあてた瞬間、マイク越しで鳳くんの声が聞こえた。


[私の{絶対公約}は……普通校舎と特別校舎制度の完全撤廃です!!]


私が耳を疑って振り返って見れば会場は大きな混乱の渦に巻き込まれ


会長は[ほら、ヤバイやろ?]と言う顔をしてた。


……本当にヤバイな。

特別校舎と普通校舎の制度撤廃。ようするに差別をなくして平等にって訳です。


壊すというのはこのこと。


差別や格差を無くそうとするのは一見素晴らしい考えのようですが...

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