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似非ボッチの私が逆ハー女の親友になってた  作者: 黛 カンナ
生徒会総選挙。立候補編
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第85話 会長と千秋

『胡桃が敵…』


千秋はつぶやくようにしてそう言った。


「そうや、胡桃は鳳の支持者になる。そうなれば胡桃も大きな権力を得るやろうな」


実際、去年和人の支持者であった天王寺は絶大な権力を手にした。その使い道は特別校舎を守ることだったので、間違っていたのかもしれないが和人の命令には最終的に従う為、問題は無かった。


『…え?っちょ…また嘘ついてるんですか?』


千秋は未だに状況が飲み込めていない様子であった。


何故胡桃が自分の敵になるのだろう。このあいだまで笑顔で好きだと、親友だと言ってくれたのは嘘だったのだろうか?本当はこんな自分を嫌っていたのだろうか…


そんな風に狼狽する千秋を見て、和人は思った。


(?…まさかここまで同様するとはな…)


和人の中では、胡桃からの一方通行で千秋はそれに対して若干怖がっていたり、興味無さそうに放っているイメージがついていた。


「嘘やないで…ってか、千秋は胡桃を怖がっていると思ってたわ」


素直にそう言った。胡桃からの愛は凄く重い。胡桃は全ての人間を平等に愛するほど愛が大きい。その愛を友愛にして誰かに注ぐということは


例えるなら人間の口に無理やりホースを突っ込んで水を永遠に流し込む位に苦しいものだ。早い話溺死する。


だから和人が思っているのは至極当たり前だったのだが……千秋はそのことに関してキョトンとした顔をして


『?…何いっているんですか?そんなこと思いませんよ』


と、まるで常識では無いかと言わんばかりに千秋はあっけらかんと言った。それに対して和人は思わず呆けた声を出す。


「へ?いやいや、何時もの千秋って結構怖がっている感じするで?」


『あぁ、それは……』












千秋からの説明を受けたあと、和人が真っ先にいったのは…


「マジで?面倒くさ!そんなん千秋が全部悪いわ!」


キレた言葉であった。普通は考えないであろう、ひねくれ過ぎている千秋を表して言った。


『酷くないですか?それ』


「あぁもう!ホンマに似たもの親子やな!なんやねん自分…いや、理屈は微妙に分かるけど…でも面倒くさいわ」


『面倒くさい言い過ぎです』


「はぁ~…もうお前が100%悪い。全部言えばええんに…胡桃完全に暴走しとるで」


一応は分かっている。きっと千秋なりに考え、苦しみ、相手を思ってのことだったのだろう。


ただ大分歪みまくって、屈折しまくって、ひねくれまくって、言わなければ絶対に伝わらないだろうが…


和人、ええか?と前置きをして千秋に説明をした。


「胡桃は千秋と敵対するつもりや。何もかも壊して一から始めるって言っとった」


『全部…壊す?」


その部分が上手く分からなかった。


一体胡桃は何を壊すというのだろうか?自分との友人関係?いや、それならば個人的な問題にすれば終わる話だ。そして、鳳くんも絡んでいる…


わざわざ生徒会に立候補してまで何がしたいのだろう?まさか学園をダイナマイトで物理的に破壊する訳じゃあるまいし……しそうで怖いな。


そんな私を見て、和人先輩は言った。


「もうすぐ鳳の演説が始まる時間やわ…そこで計画……生徒会になったときの絶対公約が発表される」


絶対公約、生徒会に当選し会長になった時の公約だ。その名のとおり、絶対に公約は守られる。


鳳と胡桃の計画はそれを利用したものであった。鳳と胡桃の最強タッグではそれは叶ってしまう。他の立候補者では敵にもならないだろう。


千秋は全体的な評価こそ低いものの、元々目立つスペックや社交性で人望は結構あるほうであった。更に実績もあり、経験もある。前まで会長職をやっていた自分が支持者となれば、胡桃と鳳に対等で勝負出来る。


千秋が…その気になってくれれば。


「特別校舎にある会場に行くで」


『……分かった』


立候補者になる、ならないは別として行かなければ成らないと千秋は思い立った。



胡桃も千秋もちゃんと話あってれば、全てが解決出来たのにね...

後、結構胡桃がラスボスだと思ってた人っているんだ...

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