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第78話 強制的ログイン

「本日はお忙しい中お集まりいただきまことに恐縮ですわ」


とある高級住宅街のとある高級レストラン。

そこで会長は関西弁を多少残しつつも恭しく頭を下げた。


私はというと何故か燕尾服を着て、座っている会長の後ろに立っている。


「まずは食事でもしながら話しましょうや」


会長が笑顔でそういい、周りの人物たちも渋々と言う感じで食事を始めた。どうやら本当に私は直立不動をずっとしなければならないらしい。


6~8人位の明らかに貫禄をもっている人たちが怖い。年齢はそこそこ入っているだろう。


そのうちの何人かは明らかに非友好的な目線を送り、そのうちの一人が口を開いた。


「最近の君の行動は目に余るんじゃないかね?」


「目に余るとはどない言うことですか?」


結構な威圧を放つ老人は確か教頭補佐だった気がする……気がすると言うのは基本的に学園の重鎮方は特別校舎のとこにいるので、普通校舎の私たちでは滅多にお見え出来ないからだ。


「ふん!白々しい……お前が会長になってから、この学園の均衡は崩れている。本来生徒会というのは生徒としての権力しかもちえない…それなのに貴様が会長になってからそれが崩れている」


確かに今や和人先輩が率いる生徒会は教師以上の権力を持っている。それだけでもヤバイのにここまで敵視されていると言う事は、和人先輩の権力は学園トップの理事にも深く関わっていると言う事か…


「それは言いがかりですわ、俺はあくまでも規約にしか書かれてない権利を使うているだけやし…なんやったら理事の権限を全てくれるんでしたら…もっとメリットが出ますで」


和人会長は強気の態度。その態度に憤慨する猿渡教頭とその周りたち。


……今更ながらに説明しよう。店の中にいる人たちは主に理事会と呼ばれている人たちで学園やそっち方面の重鎮たちなのだ。


「分家のくせに……」


今のセレント学園に理事長はいない。あの巨大過ぎて大金を動かしすぎる組織を統括するとなれば相当のカリスマ性や有能性にと沢山のものが必要になる。


そんな人物がそう何世代にも渡って現れる訳もなく、それが現れるまでは理事長は不在のまま。あえて言うならば全員理事長ということで全員平等に権力を持っている。


まぁきっと平等とは名ばかりで、理事会の中にも階級は多少あるのだろう。


その理事メンバーに会長が最近ログインしたって感じだね……しかも結構な権力をもってる。


「確かに…和人くんの齎したメリットは大きく、規約を大きく逸脱したものでは無いのでは?」


比較的に若い40代後半の人がそういった。この人は和人先輩擁護派だろう。理事長が決まってない時はセレント学園は若干右肩下がりになる。


しかしそれでも世界最高水準を保てるのは先代の偉人たちがセレントに箔をつけてくれたからだろう。


「それ自体が逸脱しているんだ!!この男はたまたまメリットを提供したに過ぎぬ」


なんとなく、状況は分かってきたぞ。

和人の目的は伊集院家ではなくセレント学園だったのか。そして上手いこと入り込み、まんまと理事会メンバーとほぼ変わらない地位を得たんだ。


なんて言うか……ってか私は何でここにいるんだろ?私は何の関係もないのに……


「そこの小娘は一体誰だ?」


ついにと言うべきか、今更だなもっと早くつっこめよ!と思える質問が来た。


『天崎 千秋です。胡桃とよく一緒にいる…』


「伊集院さんの孫娘の腰巾着か」


失礼だなおい。

しかし、それは自覚していたのでわざわざ胡桃を出したのだから我慢しよう。


「薫子の元娘か……貴様の行動も目に余るぞ!」


ん~?何で実母の名前が…あぁそうか、母も母で元伊集院家の人間でしかも怪物染みた伝説で有名だからか。なんだかややこしいな。


ってかこの人の攻撃色は私ではなく薫子さんに向けてな感じがする。本当にやめて欲しい。もう戸籍上は他人なんだから、私のことはただの小娘と思って欲しい。


しかし、そんな理屈は相手に通用しないようだ。


「今までの行動の数々、しっかりと説明してもらうぞ」


強制的に私もログインされました。

『結局は他人事』だとはもう言えない状態になって来ましたね。最近何を書きたいのか分からない。

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