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似非ボッチの私が逆ハー女の親友になってた  作者: 黛 カンナ
季節外れの牡丹雪祭り編
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第73話 会長の母

「和人会長の...お母様ですよね?お久しぶりです」


鳳くんは礼儀正しく頭を下げた。


「おんや、鳳はんとこの息子さんやないどすか?学園祭以来どすなぁ」


立ち話もなんやし、こっちへおいでやす。








和花(わか)さんが招待してくれたお陰で境界線の中に入る事が出来た。やはり人は少なく、なおかつ雑木林が旨いこと除去されてる為に花火がよく見える場所であった。


「そういえば、何故ここにいるんですか?」


鳳くんは疑問に思ったことを言った。それは私も思っていたことだ。和花さんは扇子で口元を隠しながら


「ここの祭りを作ったんは、何代か前の当主だったんどす。その繋がりで来たんどすぇ」


...うちの学校の理事長とかじゃ無かったんだ。


「ほんまに道楽が行き過ぎる人だったみたいでな、当主になっかと思ったら行方を眩ませて...まぁどこかの学校の偉いさんになったらしいどす」


完璧にセレント学園の理事長だ。


私は一人で突っ込みをいれながら極力話に入らないように努めている。生徒会メンバー繋がりの鳳くんに全てをパスしよう。


和花さんは京都弁っぽい喋りで会話をしているが、ぶっちゃけそう聞こえるだけであり、語尾にどすを付けいてるだけだ。


和人先輩は似非関西弁。和花(わか)さんは似非京都弁。ある意味似ているなこの二人。


「ところで...会長はいらっしゃらないんですか?」


『来るわけないじゃん』


鳳くんの疑問に即座に答えてしまったのは私だった。しまった、無視を決め込む筈だったのに...


そんな私を疑問に思っているのか、鳳くんは首を傾げている。和花さんは口元を隠していても分かるくらいにんまりと笑うと


「その通りどす。和人はんは来てまへんよ」


「え、何故ですか?」


鳳くんの疑問は分かる。こう言う縁や一族が関与しているものには基本的に子供や跡継ぎを一緒に連れていくものである。


中身は単に自慢したいだけの大人が自分の武器を見せている様なものだ。鳳くんも跡継ぎだからその経験があるのだろう。


和人先輩はあのセレントの会長であるという肩書きや色んなとこで活躍してるから武器としては申し分ないと思っているのだろうが...


『そんな事より花火もうすぐ始まるよ』


私はその会話をしたく無いために話しを剃らそうとするが...


「和人はんは中途半端な分家どすから」


和花さんはそれを許してくれなかった。


「中途半端?」


伊集院和人とは分家なのだ。それだけならばまだ話は簡単だが、それだけでは終われない。


本家に嫡男はいない...しかしながら胡桃がいる。それならば本来胡桃が跡継ぎになるのだが、分家でありながれ実力的にも肩書き的にも優れている和人は第二の跡継ぎ候補なのだ。


...胡桃を溺愛している本家がそれを許す筈もない。


「胸くそ悪い(ボソ』


「え?」


ボソりと本音を漏らした私の方へ鳳くんは顔を向ける。


『あ、えーっとね。つまり家庭事情ってやつだよ』


なげやりに私は答えた。鳳くんには悪いが、これ以上はベラベラと話す内容ではないし、他人が関与することではない。


「...そうですか」


鳳くんは同じ御曹司として何となく御家事情だと察したのだろう。それ以上は突っ込まなかった。ここら辺が鳳くんのいいところだと思う。


天王寺先輩はズガスガと無遠慮に来るからアレは困る。多分全てを知ったら先輩は何がなんでも和人先輩を守ろうと、とんでも無い事をして更にややこしくするだろう。


「随分と他人事どすなぁ?」


『他人ですから』


戸籍上、私は胡桃とも和人先輩とも他人だ。何よりこっちはこっちで大変なのだ。他のとこに首を突っ込む程余裕はない。


...なんて、言いはしないけどね。


【これより、花火大会が始まります。皆様、どうぞ楽しんでください...】


綺麗なアナウンサーが聞こえた



和人と胡桃が親戚という設定上いつかは書きたいと思ってました。

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