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似非ボッチの私が逆ハー女の親友になってた  作者: 黛 カンナ
季節外れの牡丹雪祭り編
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第72話 場所探しと望まぬ出会い

『結構人とか多いね』


私は花火が見える場所に行く途中、人混みのなかで思わず言った。やはり皆のねらいは花火だろう。


「そうですね...人も多いですし、手でも繋ぎますか?」


『ハハッ私は子供じゃないんだから』


私は鳳くんの言葉を冗談と捉え...冗談にした。これは一種の自己保身とも言える。


相手が自分に好意をもってそうな言動は基本的に冗談や笑いに変えるのは間違いがなく、距離感をもって接する事が出来る。


距離感を間違えたブスは痛い目を見る。ここ重要。


「あの人超イケメン!!」「外人さんかな?」


時折そんな声が聞こえる。鳳くんとすれちがう度に何人かがすれ違いヒソヒソと話す。


確かに鳳くんはイケメンだ。外人で背の高い外見は凄く絵になるだろう。


「うわっ!...あの女、背ぇデカ!」「いや、アレは男だろ」「スゲー隈」


方や私にはそんな声が聞こえる。普段は猫背で身長を誤魔化していたのだが、この人口密度ではそれも出来ないためにもろ大きく見えてしまっている。


メイクはしようと思っていたのだが、雨が少しふっていたので崩れる可能性を考えて、しなかった。その為隈が酷いこととなっている。


別に好きで背が大きくなった訳でも隈が酷く成ったわけでも無いのになー...


「...どうかしたんですか?」


私が一人ネガティブに走っていると心配した鳳くんが顔を覗き込んだ。


『ううん、なんでもないよ。単に花火が楽しみだと思っただけ』


流石に本音は言えないため、私はそう言った。でも楽しみなのは本当だ。


「...そうですね、でも本当に人が多い」


『たしかに、もうすぐ始まってしまうよ』


なんとか観覧場所へと行ったのはいいが、どうも人が多く座る場所がない。ベンチは既に満員であり、さっきまで小雨が降っていた為か地面もベットリしている。


流石にそんな場所に鳳くんを座らせる訳にも行かない。けれど、私たちの足はそろそろ限界に近い。


『取り合えず、この境界線の部分に沿って歩こうか』


ヒモと警備員がある境界線の部分は人が寄り付いていない為、取り合えずこの境界線に沿って上へと歩いていく。


「この境界線って何なんですか?」


『たしか...この祭りのスポンサーとか関係者だった気がするよ』


関係者以外立ち入り禁止と書かれた看板がさっきぶら下がっていた。これより先は特別客のためのものだろう。


『やっぱり人は多いね』


上へ行ってもやはり人は多く、座る場所はない。このまま立って見るにしても雑木林が多いとこでは枝が邪魔になってしまうだろう。


「この境界線の中に入れたらいいんですけど...」


それは無理だろう。同じ事を考えてた人が警備員によって警察に引き渡されてたのをさっきみた。


いっそのこと鳳くんの権力で中に入れないかな?とか考えていたら...


「あんれ?千秋はんどすか?」


何故か聞き覚えのある...出来れば聞きたくない京都弁が向こうから聞こえた。


紫色混じりの髪に赤いかんざしをさし、袖がなく藍色ベースの上品な着物をきている。


白く艶やかな肌は若々しいとは言えなくも今だに衰えない美しさで、少しだけ釣った猫目だがキツイものではなく、全体的に和風な雰囲気なのに、本性が見えることはない。


みっともなくズルズルと若作りをする人達を嘲笑うかのような、その年齢にあった美しい女性だった。


『... 和花(わか)さん...』


「お久しぶりどすなぁ」


独特のイントネーションと京都風のしゃべりをする着物を着た女性の名は


伊集院 和花(わか)


生徒会長の母親である。


和人の母親登場!! 和花(わか) の京都弁はそれっぽい喋りなだけで、和人と同じ似非です。

語尾にどすを付ければそれっぽいと思った。


和花は胡桃の父とは従兄で、千秋の前母の薫子とは姉妹だった間柄です。


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